夫婦一緒に老人ホームで過ごす穏やかな老後
都内に暮らす70代のAさんは、子どもも成人して自立しており、夫とともに夫婦2人で穏やかに生活を送っていました。しかし、年齢を重ねるにつれ、少しずつ日々の生活における不安や不便を感じるようになり、将来を見据えて老人ホームへの入居を決めます。
子どもたちに心配をかけたくないという思いもあり、夫婦で数年かけて何箇所もの施設を見学し、ようやく納得のいくホームがみつかりました。その施設はサービスが充実しており、入居者同士の交流ができるさまざまな催しが定期的に開催されていたため、安心して暮らせそうな環境が整っていました。
現役時代、仕事が忙しく自宅でゆっくり過ごす時間も少なかった夫にとって、夫婦で一緒に時間を過ごす毎日はとても貴重なものでした。もともと仲の良い2人だったため、日々をともにしても喧嘩をすることは少なく、和やかで温かな日々が続いていました。
ところが、そんな穏やかな日々のなか、夫は予想よりも早く体調を崩します。体調に異変を訴えてからたった1週間後、回復することなくそのまま亡くなってしまいました。
まだまだやりたいことリストがたくさんあった2人。孫に会うことも心から楽しみにしていた矢先のできごとに、妻は悲しみに暮れました。
夫の死後、税務調査で突き付けられた「想定外のひと言」
子どもたちのサポートを受けながら相続の手続きや申告を進めました。夫亡き後のAさんの年金は月額17万円程度ですが、夫の遺産のおかげで問題なく暮らしていけそうです。
少しずつ日常を取り戻しつつあったある日、Aさんのもとに「税務調査」の知らせが届きました。専業主婦だったこともあり、その手の話には疎いAさん。難しいことはよくわからず、子どもたちに任せていた部分もあったため、不安を抱えながら調査の日を迎えます。
税務調査官からの思いがけないひと言により、Aさんは体がすくむのを感じました。
「老人ホームの入居費用1億円の申告が漏れていますね」
追徴された税額はおよそ4,000万円。Aさんにとって老人ホームの入居費用は夫の生前の話だったため、寝耳に水の話でした。たしかに夫婦でホームを見学し、契約を結び、夫が支払ったという経緯はありました。しかし、Aさんはこれが課税対象となるとは考えていなかったのです。
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
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