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男手一つで育ててくれた父の死…現金1億円・国内株式1億円を相続
28歳のA子さんは一昨年に大学時代の同級生と結婚し、新たな人生の一歩を踏み出したばかりでした。母を幼いころに亡くし、父と二人三脚で歩んできた人生。ようやくつかんだ平穏な日常でしたが、父が突然倒れたことで、その幸せは一変しました。
「お父さん、結婚式のとき無理してたんじゃないかしら……」病室で過ごす時間の中で、父の体調にもっと気づいていればという悔しさがこみ上げます。
結局、父は帰らぬ人に。まだ58歳という若さでした。残されたのは、「夫婦仲良くな」という最後の言葉と、2億円という遺産。そのうち1億円は、父が長年運用してきた国内株式でした。
相続手続き中に日本株、暴落…1億円が7,000万円に
A子さん自身もNISAで積立投資を始めており、父の想いを継ぐ形で株式の運用にも前向きな気持ちを抱いていました。しかし、相続手続きに手間取るなか、まさかの日本株暴落。1億円の評価だった株式は、わずか数日のうちに7,000万円へと下落してしまいます。
「でも、これで相続税が少し安くなるかも……?」一瞬、そんな考えがよぎりましたが、現実はそう甘くありません。相続税は原則として「被相続人がなくなった日の終値」で計算されます。さらに、
・相続発生月における毎日の終値の月平均額
・その前月における毎日の終値の月平均額
・前々月における毎日の終値の月平均額
この3つの平均価格のうち最も低い価格を適用できる仕組みではあるものの、株価が下がった“いま、この瞬間”の価格で税額が決まるわけではないのです。つまり、手続き中にどれだけ資産価値が目減りしても、税金は下落前の高い時点の評価額をもとに計算されます。
評価額が1億円と7,000万円では、相続税が1,000万円以上も違ってしまう可能性が─―。A子さんは、相場の変動と制度のギャップに戸惑いを隠せませんでした。
しかし、株価が乱高下する状況下では安易に売ることもできません。「売ってしまったらもう二度と父の株を取り戻せないし、それに時期を誤れば、相続税の払い損になってしまう」葛藤がA子さんの気持ちを深く揺さぶります。いつしかA子さんは、「このままだと大切な父の遺産が重荷になってしまうかもしれない」という不安を拭えなくなっていました。
想定外のタイミングで押し寄せた相続の波。そして、追い打ちの市場暴落。A子さんの新婚生活は、財産をめぐる思わぬ試練の渦中に放り込まれることに。果たして父が託したこの1億円の国内株式は、彼女の未来の礎となるのでしょうか。あるいは大きな負担へと変わってしまうのでしょうか――。物言わぬ株券が、A子さんに選択を迫ります。
A子さんのように、株式を相続した直後に大きな相場変動に直面すると、どう対応すべきか判断に迷うのも無理ありません。株式は相続資産の中でも特に値動きが大きく、かつ多くのご家庭で保有されている資産です。相続をきっかけに初めて本格的に株式と向き合うことになり、戸惑いや不安を抱える方も少なくありません。
こうした局面で実際に使えるアドバイスを、2つ紹介していきます。
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