ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
企業も副業をする時代
経営者の方にも空き家・古家投資で副収入をつくることをお勧めします。ここでは、この投資法があなたの会社にとっても有益であるということをお伝えします。
何より経営者が会社として空き家・古家投資(大家業)を始めることは実に多くのメリットがあります。
最も重要なことは、本業にはない経営の勉強ができることです。とくに中小企業の社長は簿記・会計に弱い方が多いのですが、不動産会計は単純に貸借対照表(B/S)を中心にした会計のため、そのしくみが頭に入ってきます。
とはいえ、これだけの理由で始めるには役員会などで反対の声があるかもしれません。そうであれば、投資額は少額ですので、まずは自身のお金で1軒購入して個人の収入を増やすだけでも意味があります(もちろんサラリーマンの方も同様です)。小さな会社のなかで一番大きな経費は社長の給与です。いざというときに社長の給与をゼロにできるくらいの家賃収入を持っていれば企業経営のリスクヘッジになります。
しかし、本業以外に手を出すことにためらう人もいるでしょう。そこで、ここでも全古協の会員のなかで実際に会社を経営している方へ「空き家・古家投資をして、本業に良い影響があったかどうか」を聞いてみました([図表2]参照)。
回答数が少ないため参考値として見ていただければと思いますが、結果の通り、経営者で大家業が本業に良い影響を与えていると感じていない方は30%に満たず、多くの人が良い影響があったと感じています。
不動産業にかぎらず、どんな事業でも新しく始めることに恐れ・不安は付きものです。それを軽減する役割が家賃収入です。企業経営とは心の負担が大きい仕事です。経営者がうつ病になる割合は、全体の30%とも言われていますから。
経営者が抱える不安要素は、大家業を選べば解決できる?
そこで、大家業とは直接関係ありませんが、経営者が抱える不安と不動産投資、大家業が与える役割の関連について挙げてみました。
売上が安定しない
→ 毎月決まった家賃が必ず入るため大家業は安定する(入居者に滞納があっても保証会社から入ります)。
優秀な人材が確保できない
→ 大家業に人材は必要ない。優秀な人材なしに安定収入をつくることができる。また、大家業をすることによる企業の安定や福利厚生で求人の条件が良くなり、いい人材を確保することもできるようになる。
社内の人間関係がうまくいかない
→ 大家業に社内の人間関係は必要ない。外部の人間関係は重要であるが、古くからある業種なので外部人材が豊富。物件購入・リフォーム工事・入居者付け・管理など、それぞれのパートでシステムや会社が確立されている。
相談相手が見つからない
→ 経営者は孤独。そういった意味で相談相手がいないのはほかの業種でも同じ。大家業にはセミナーなど勉強できる環境があり新しい仲間ができる。
プライベートを確保できない
→ 大家業は時間を取られない。不動産業は業務をほかに移管できるしくみが確立されているので、トップとして判断する役割のみに集中できる(副業としてやる場合には、本業+αとして時間は多少必要となるが十分両立できます)。
コスト削減ができない
→ 大家業は安定と引き換えにコスト削減もしにくく家賃も上げにくい。だからこそ導入(購入)するときが重要(いまの経済では一番コストがかかるのが人材で、不動産業はそれを必要としない、少人数でできる業種です)。
経営のモチベーションが上がらない
→ 大家業は勝手に家賃が入るため、その意味ではモチベーションは上がらない。しかし、家賃収入が増えてくると心に余裕が出て、その結果、本業のモチベーションアップにつながる。
人材が定着しない
→ 大家業はそもそも人材が必要ないので定着は必要ないが、会社が副業でやっている場合、本業の人材定着にも効果を発揮するようになる(福利厚生の充実や給与アップ・開発予算増などによって本業の人材が定着します)。
いささかこじつけではないかと思われるかもしれませんが、私自身が経営者として実感してきたことです。現に大家業を始めてから、本業におけるキャッシュフローの心配はなくなりました。大家業を会社の副業としてやることで、企業のポートフォリオができ上がるのです。

