「お金があるから幸せ」ではない
いきなり大きなお金を持つと相応の生活を送ろうと思う人もいます。クレジットカードをランクの高いものにしたり、ブランドものをたくさん買ったり、高級車を購入したりする人もいるでしょう。
しかし、そのような行動は、「自分はほかの人と比べてお金を持っています」と表現していることにほかなりません。
世の中には自分よりもお金を持っている人はたくさんいます。上を見たらきりがありません。ただ周りと比べているだけです。そしてその範囲はごく限られたものに過ぎず、単なる自己満足でしかないのです。
それに気付かずお金があることをアピールした結果、不要な勧誘が増えたり、盗難の被害に遭いやすくなったりしてしまいます。
そもそも、ブランドものを見せびらかしたり、高級車を頻繁に買い替えたりする人は、他人よりも優位に立ちたいと思っているケースが多いです。しかし、それを続けるには努力が必要です。何らかの理由で収入が途絶えることも否定できませんし、人間というものは一度生活ランクが上がるとそれを下げるのは難しいものです。
一郎さん夫婦は、人にお金持ちだと思われることに価値を感じていません。築き上げた資産で自分の趣味を取り入れた生活ができていることに満足しています。
また、一郎さん夫婦には子どもがいないため、元気なうちは国内旅行などを楽しむつもりです。そして、どちらかが介護が必要な状態になれば、夫婦で民間の介護付き老人ホームに入居し、残った資産は日本や海外の子ども達を支援するNPO団体に寄付しようと考えています。
「お金があるから幸せ」ではなく、「お金があることで自分の心が豊かになる」ことを意識することこそが、お金を持つ人にとって重要だといえるでしょう。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP
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