土地成金だった祖父が反面教師に…お金があることを隠すワケ
一郎さんの祖父は多くの土地を持っており、その土地が国に買い上げられたことにより、一気にお金持ちになった人です。お金持ちが多く暮らす住宅街に豪邸を建て、その時代では珍しい車にも乗っていたとのこと。小さい頃に祖父の家に行くたびに家の大きさと庭の広さに驚くばかりだったといいます。
しかし、一郎さんの祖父は一気に大きな金額を手に入れたことで、銀行からの営業や証券会社からの営業がひっきりなしに来るようになりました。そして言われるがまま株取引を行ったところ、実はその株取引は信用取引でした。結局、預金の半分を失うという大失敗をしてしまったのです。
一郎さんは祖父のことを教訓にし、できるだけお金持ちと思われないための工夫を行っています。
なぜならお金を持っていると知られた時点で、嫉妬や妬みをかうこともありますし、なにより祖父が受けたような金銭的な被害を受ける可能性が高くなるからです。
一郎さんの家は亡くなった両親が住んでいた家(築50年)の室内をリフォームしたもので、外観は年季の入った古い住宅です。車は夫婦2人で十分なコンパクトカーに長く乗っていて、身に着けている服も近所のスーパーの2階にある衣料品コーナーで数千円で買えるものばかりです。
ただ、妻の趣味であるアンティークに惹かれ、家の家具はアンティークのものを見つけて揃えるようにしています。アンティークの家具には高額なものもありますが、時代が経つにつれ価値も高まっていくことから、一種の投資だと考えているそうです。質素な生活を続けている一郎さん夫婦にとっては最高の贅沢です。
また、一郎さんはもともと時計好きだったこともあり、今ではアンティークの時計収集にはまっているとのこと。ただ、それを身につけて出歩くことは一切せず、鑑賞用として保管しています。
さらに、人と話す時の話題にも気をつけています。時計の収集の話題を自分からすることもなく、親族以外の人を家に入れることもあまりしません。幸い親族にはアンティーク家具や時計などに趣味のある人がおらず、家の中に価値があるものがたくさんあることも知られずに済んでいます。
