「波乱をチャンスに変える」ためには現金比率を高めておくこと
兜町には、「鯨3文といわれても銭がなければ買えぬ」との教えがあります。この格言はリスクマネジメントの大切さを教えています。2024年8月5日、日経平均株価は日銀(植田)ショックによって3万1,156円まで売りたたかれました。
ストップ安銘柄が何と、主軸株を中心に801銘柄もありました。バーゲンセールどころの話ではありません。誰もが「こんな局面は買いだッ」と考えたに違いありません。
しかし、いくら割安銘柄が続出し、「入れ食い状態」といわれても肝心の資金がなければ……。そう、まさに「ない袖は振れないチャンチャンコ」状態となってしまいます。チャンチャンコには袖がありません。
繰り返しになりますが、相場に暴落、波乱はつきものです。それは、ある日突然、自然災害が起きるときのようにやってきて投資家を襲います。
だからこそ、「波乱をチャンスに変える」には、万一に備え、現状を正しく認識し、リスクマネジメントを徹底する。高値圏では利食いを優先し、現金比率を高めておく必要があるのです。波乱をチャンスに変え、暴落局面を生かすには備えが重要でしょう。当たり前のことではありませんか。
実際、2024年8月5日後の日経平均株価は、約1カ月後の9月2日に3万9,080円の戻り高値をつけました。この間の上昇幅は7,924円、上昇率は25.4%に達します。投機的、機械的に売られ、ショート(弱気)筋が売りたたいた場合、相場の反発力はすごいものがあります。相場格言は、「材料はあとから貨車に乗ってやってくる」と教えています。
マスコミは、「円安を好感して輸出関連株に買いが入った」とか、「アメリカ市場が強さを評価」などと、株価が上昇すればかならずその要因(材料)を見つけ出してはやし立てます。しかし、それはあくまでも後講釈です。それを待っていたのでは、売りたたかれたところを買うことはできません。
相場格言には「理路整然と曲がる」というのがあります。理屈をこねまわしてばかりいると、せっかくの好機を逃してしまいます。それと、実勢悪なのか、需給要因による下げか、よく見極めなければなりません。
杉村 富生
経済評論家
個人投資家応援団長
※本記事は『保存版 株式投資 勝ち方の本質』(すばる舎)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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