思惑がはずれたときの損切りは“千両の価値”…株式投資で勝つためには「徹底したリスクマネジメント」が欠かせないワケ【経済評論家が解説】

思惑がはずれたときの損切りは“千両の価値”…株式投資で勝つためには「徹底したリスクマネジメント」が欠かせないワケ【経済評論家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資で儲けるためには「リスクを取る勇気」は欠かせませんが、同時に「リスクマネジメント」も欠かせません。本記事では経済評論家・杉村氏の書籍『保存版 株式投資 勝ち方の本質』(すばる舎)から一部抜粋・編集し、株式投資におけるリスクマネジメントと損切りのポイントについて解説します。

買い気が強すぎると相場は反転する

「リスクを取る勇気(血を流せ)」は株式投資で儲けるための必須条件なのですが、高値圏では逆に、リスクを取りに行くと、大ヤケド(大きな損失)を負うことがあります。注意が必要です。

 

古来、「買い気が強すぎると相場は反転する」ともいいます。日経平均株価が高値をつけた2024年の7月11日、寄与度の大きい構成銘柄のソフトバンクグループ(9984)は、1万2,180円まで買われました。

 

もちろん、これは年初来高値でしたが、驚かされたのは6月26日以降連続上昇(前日の終値を当日の終値が上回る)、12連騰となったことです。

 

[図表1]ソフトバンクグループ(9984)の日足

 

同じ主力株(日経平均採用銘柄)の伊藤忠商事(8001)も同様に7月11日に8,245円でピークアウト、2024年12月時点でこの高値を抜いていません。レーザーテック(6920)など超値がさ株を使った先物主導の相場は危険です。

 

この時点のソフトバンクグループは明らかに買い気が強すぎました。年初の6,040円に対し、2倍強の急騰劇です。結局、相場は反転し、日銀ショックが起きた8月5日には6,368円まで急落してしまいました。

 

年初来高値に対する下落率は47.7%に達しましたが、その実態は投機筋が先物を買いあおり、その後売りたたいたのです。

思惑がはずれたときの損切りは千両の価値がある

株式投資でコンスタントに利益をあげるためには、リスクマネジメントが必須です。投資(相場)の世界では、10戦10勝などというケースはまずあり得ません。よほどのプロ、達人でなければ半分は負けます。

 

このような思惑がはずれたとき(相場の世界では「曲がる」という)、必要となるのは早めのロス・カットです。すなわち、損切りを素早く敢行して損を少なくします。古来、「利食いは遅く、損切りは早く」というではありませんか。

 

そして、思惑どおりに相場が動いたときには、トコトン利幅を取ります。これを繰り返すことによって、総資産を殖やすようにするのです。株式投資では、個々の銘柄の勝ち負け(勝率)にこだわる必要はありません。

 

ロス・カットについては「見切り千両」という相場格言もよく知られています。もちろん、チャート解析(天井形成のパターン、出来高急減など)は欠かせません。

 

株式投資において、利益確定を意味する「利食い」は千人力となりますが、損失を確定させる「見切り」もまた、千両(現在の1億3千万円に相当との説あり)の価値があるのです。

 

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※本連載は杉村富生氏の書籍『保存版 株式投資 勝ち方の本質』(すばる舎)を一部抜粋・再編集したものです。

保存版 株式投資 勝ち方の本質

保存版 株式投資 勝ち方の本質

杉村 富生

すばる舎

★相場解析歴50年超、18歳から兜町の水に親しみ、往年の著名相場師・投資家をはじめ、直近の各界経営者らとも親交がある経済評論家・杉村富生がノウハウを伝授します! 新NISAの導入後、日経平均株価はバブル後最高値を更新…

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