ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
孤独死が起きた物件
あの家の空気は、明らかに異様だった。重く、暗く、そして説明のつかない“圧”があった。作業を終えた夜、私は高熱を出して寝込んだ。同行した遺品整理業者は帰り道で物損事故を起こした。霊感などない私たちも、「見えない何か」と対峙したような気がする。
聞くところによると、この男性は生涯独身。幼少期に実親とは離れ、養父と2人きりで暮らしていたらしい。唯一の親族にもその最期を拒まれ、誰にも看取られることなく、静かに命を終えた人生だった。
それでも、この家には笑い声や、ささやかな喜びも、きっとあったのだと思う。——少なくとも、彼なりに「生ききった痕跡」が確かに残っていた。
だが同時に、私は感じた。「置き去りにされた想い」がこの家には残っている、と。恨みなのか、寂しさなのか、誰かに気づいてほしいという願いなのか。声にはならなかった「声なき声」が、そこに漂っていた。私は僧侶を招き、供養を依頼した。亡くなった方のためであり、関わったすべての人の心を、少しでも軽くするためでもあった。
終活は「死の準備」ではない
不動産は、単なる「モノ」ではない。 誰かの人生が宿り、記憶や感情が積み重なった空間だ。不動産業者にできるのは、取引を超えて、物件に宿る「物語」に耳を傾け、必要な供養や想いを引き継いでいくこと——それもまた、大切な役割だと感じている。
記憶も、感情も、やがて消えていく。だからこそ、私たちは「いま」の思いを、遺言書やエンディングノート、映像などに遺すべきだ。相続人がいなくても、自分の想いや言葉を残しておけば、それは「誰か」の心を救い、未来への安心につながる。終活とは、死への準備ではない。いまをよりよく生きるための「自分との対話」なのだ。たとえ孤独な死であったとしても、そこに静かな敬意が注がれる社会であってほしいと、私は心から願っている。
柏原 健太郎
株式会社TBH不動産 代表取締役
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
