人生が大きく変わった「通帳の1億円」…有頂天で早期退職した55歳元地方銀行員、たった一つの「選択ミス」で5年後。家族みんな打ちひしがれたワケ【FPが解説】

人生が大きく変わった「通帳の1億円」…有頂天で早期退職した55歳元地方銀行員、たった一つの「選択ミス」で5年後。家族みんな打ちひしがれたワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

思いがけないタイミングで大金を手にしたら、どうするでしょうか。努力せずに手に入れた資産は消えていくのも早いようです。本記事では田代浩二さん(仮名)の事例とともに、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が、お金の使い方の重要性について解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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「1億円=一生安泰」ではない現実

「1億円もあるなら、老後は安心」。そう考える人は少なくありません。実際、ファイナンシャルプランナーとして相談を受けるなかでも、「1億円あれば悠々自適に暮らせると思っていた」という声は多く耳にします。

 

しかし、田代さんのケースでみていくととても足りないでしょう。55歳で退職し、まだ娘の教育費の支払いも残るなか、年金受給年齢である65歳までの10年間を貯蓄でまかなうことになります。単純計算でも生活費が毎月30万円だとして年360万円、10年間で3,600万円が消えていきます。

 

「旅行や趣味に使った分も加えると、5年で5,000万円近くがなくなっていた」と田代さんは当時を振り返ります。

 

退職1年後の支出が増える理由

さらに、退職後の健康保険料についても注意が必要です。任意継続にしても国民健康保険に切り替えても、会社員時代に会社が負担していた分まで自己負担となるため、思った以上に支出が増えたように感じる人もいます。

 

国民健康保険の保険料は前年度の所得をもとに計算されるため、退職直後は高額になるケースもあります。特に退職年の翌年度はその影響が強く出やすいです。

 

また、田代さんは長年銀行に勤めていた驕りから、金融知識には自信がありました。証券会社の勧めで一部の資金を投資信託に回しましたが、市場の変動で損失を出し、数百万円が目減りしてしまいました。

 

「1億円がある」という安心感が、気づかぬうちに金銭感覚を狂わせていたのです。

 

今年は本来であれば定年退職の年になるはずでした。元同期が退職金を受け取り、これからについて考えてるなか、田代さんは5年早くフライングスタートしたセカンドライフですでに失敗してしまいました。

 

田代さんは家族全員を居間に集め、テーブルを囲み宣言します。「もういままでのような贅沢はできん。すまん……」妻も娘もこの5年で贅沢な暮らしがすっかり板についていました。その日は家族全員で落ち込み続けます。5年前に感じていた「お金の不安」がまた戻ってきてしまい、田代さんは一層へこみました。

 

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