調査官に提示された金額
お店は都内にある人通りの多い立地でもあったため、高めの家賃設定でした。この社宅部分が現物給与として指摘されて3年分、そしてまかないも合わせると現物給与としては総額約400万円に。その分の源泉徴収税額を支払うことになりました。その額は約80万円。あまりの大金に言葉が出ません。
調査官に快くすべてを話したあとだったので言い訳する余地もありません。店主は最初こそ反論してみたものの、なすすべもなくうなだれました。そして、調査は終わります。
「俺、昨日も店主の厚意のまかないを食べたのに」とAさんはやるせない気持ちになります。店主は修正申告を行いました。
そしてここから、Aさんにまで予想だにしなかったことが起きます。
現物給与とされたため、Aさんの給料からもこれまで徴収してこなかった税金を徴収しなければならなくなりました。そのため、いままでを大きく下回る手取りになってしまいます。それでもどうにかしていくしかないと思った数ヵ月後。
Aさんはお店の定休日に実家に帰省していました。実家からお店に戻り、様子を覗くと
、道具一式が持ち去られていました。嫌な予感がして店主に電話するも、つながりません。店主の自宅にも行ってみましたが、もぬけの殻となっていました。
店主は諸々の影響により家賃が支払えなくなり、さらに借金も嵩んでしまい、夜逃げしたようです。
ようやく自分に合った職場に出会えたと思って長年勤めてきたはずが、思いもよらぬ結末。Aさんは、職場も住む場所も一気に失い、生活基盤をなくすこととなってしまいました。
現物支給に該当する「まかない」
飲食店における無料のまかないの提供は、従業員への経済的利益の供与とみなされ、原則として1ヵ月当たり3,500円を超える場合、給与課税の対象となります。例外的に非課税となるケースもありますが、全従業員への提供や勤務時間内の飲食など、厳しい条件を満たす必要があります。また従業員への住居提供も、家賃相当額が現物給与として課税対象となる可能性があり、適切な処理が求められます。
善意で行われた行為であっても、税務上の取り扱いを誤ると予期せぬ税負担が生じるリスクがあります。経営者は税務の専門家である税理士に相談するなど、適切な対策を講じることが不可欠です。
木戸 真智子
税理士事務所エールパートナー
税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー
\5月2日(土)-3日(日)限定配信/
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