昨日も厚意のまかないを食べたのに…時給1,200円・44歳氷河期世代男性、荒れ果てたバイト先に狼狽。税務調査後に店主が夜逃げ「原因は俺」【税理士解説】

昨日も厚意のまかないを食べたのに…時給1,200円・44歳氷河期世代男性、荒れ果てたバイト先に狼狽。税務調査後に店主が夜逃げ「原因は俺」【税理士解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

従業員への福利厚生は、労働意欲を高め、企業への貢献を促す重要な要素です。しかし、その提供方法によっては、税務上のルールを逸脱し、予期せぬ税負担が生じる可能性があります。特に、多くの人がアルバイト時代に食べたことのある「まかない」も注意が必要で……。本記事では事例とともに、飲食店への税務調査の実態について、木戸真智子税理士が解説します。※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

店主の厚意によるまかない

さらに働きやすくなったAさんは、店主とともに忙しく働いていました。

 

地元で愛されている古くから続くお店なので、ランチや夜の時間帯は大変混みあいます。店主もAさんも食事をとることがなかなかできません。なんとか隙間時間をみて、店主がまかないを作ってくれていました。毎回とてもおいしい食事を振る舞ってくれて、それらはたびたび常連客の裏メニューになることも。Aさんもまかないが毎日の楽しみの一つでした。そんなAさんの様子をみて、店主も嬉しそうでした。

ライバル店出現で危機到来

そんななか、順調だったお店に、少し陰りがみえはじめます。

 

近くに出店したチェーン店が原因です。安くて画一的なメニューが魅力で、常連客ですらそちらにも足を運ぶように。通う頻度がこれまでより減ってしまい、全体の客数や売上も少しずつ減っていきました。

 

そこに加えて原材料、特にお米の高騰が追い打ちをかけるようにやってきます。店主も頭を悩ませるようになりました。というのも、店主は食材に強いこだわりがあり、店主の故郷である地方から取り寄せた食材をふんだんに使ったメニューを展開していたためです。これは譲れない条件だったため、安価なものに切り替えることを店主は望みませんでした。

 

そのため、チェーン店に負けないような新メニューを作ろうと、さらに食材を多く仕入れて試作品を作り、余った食材はAさんも一緒にまかないとして食べて、どうにか常連客を取り戻そうと頑張っていました。

10年以上ぶりに税務調査が…

そんなある日、店主に一本の電話が。税務調査の連絡です。これまで税務調査といったら10年以上前に一度経験したくらいで、どんな形で終わったかもよく覚えていません。なにか指摘されて税金を払ったような記憶があるものの、それがどんな内容だったかは忘れていました。

 

ただ、こんなに経営が大変なときに税務調査のためにお店をお休みにしないといけないことは本当に打撃だと感じました。

 

\11月29日(土)-30日(日)限定配信/

税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

 

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