(※画像はイメージです/PIXTA)

来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな「先週の米国経済の動き」について、東京海上アセットマネジメントが解説します。

「消費者物価指数」は、市場予想を下回る

米労働省が公表した2025年2月の消費者物価指数(以下、CPI)は前月比+0.20%、変動の大きい食料品及びエネルギーを除くコアCPIは前月比+0.23%とともに市場予想(それぞれ前月比+0.3%)を下回る結果となりました(図表4)。

 

出所:Bloomberg
[図表4]コアCPIの推移 出所:Bloomberg

 

コアCPIについて、FRBが注目する基調的なモメンタムを確認すると、3ヵ月前比年率値(1月:+3.85%→2月:+3.59%)、6ヵ月前比年率(1月:+3.67%→2月:+3.56%)ともに減速した格好となりました。

 

コアCPIのうち、コア財は前月比+0.22%と2023年5月以来の高い伸びとなった1月(同+0.28%)から減速も、プラスを維持しました(図表5)。

 

出所:Bloomberg
[図表5]コアCPI(前月比)の内訳 出所:Bloomberg

 

コア財の上昇をけん引していた中古車(前月比+0.88%)の伸びが減速したほか、新車(同▲0.07%)や自動車部品(同▲0.47%)などは下落に転じました。もっとも、トランプ政権による鉄鋼とアルミニウムへの関税賦課が、今後自動車価格を押し上げる可能性が高いと考えられます。

 

一方、衣料品(前月比+0.60%)や家電製品(同+0.47%)は上昇に転じており、コア財は全体として高めの伸びを維持しています。コアサービスについては前月比+0.25%と1月(同+0.51%)から伸びが大きく鈍化しました。

 

民営家賃(前月比+0.28%)、帰属家賃(同+0.28%)ともに伸びが減速したことがコアサービスの押し下げに寄与しました。関税の影響が懸念されるなかで、家賃インフレが落ち着きつつあることは、FRBに一定の安心感をもたらしていると考えられます。

 

2月は家賃を除くサービス、いわゆるスーパーコアも前月比+0.22%(1月:同+0.76%)と弱い結果となりました。下振れの主因は航空運賃の大幅下落(前月比▲3.99%)であり、その他の品目では1月にカリフォルニアの山火事により高い伸びを示した宿泊料(前月比+0.18%)や自動車保険(同+0.27%)が鈍化しています。

 

2月CPIの下振れの主因は、FRBが重視するコアPCEデフレーターに関連しない航空運賃の大幅下落や自動車保険の鈍化などであることから、2月のコアPCEデフレーター(28日公表)は1月(前月比+0.3%、前年比+2.6%)から伸びを高める可能性があります。

 

コアCPIが2%のインフレ目標を上回っていることに加え、トランプ政権による関税政策が経済に与える影響を見極める時間帯にあることから、FRBは18、19日開催のFOMCで様子見姿勢を維持する可能性が高いと考えられます。

 

 

東京海上アセットマネジメント

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…3月第3週の「米国経済」の動き』を参照)。

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。

 

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(3/10〜14)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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