日米金利差を考えると、円の長期金利は2%程度
しばらくの間、単純な方法で、日本の長期金利の水準について、考えていきます。日本の長期金利についてよく言われるのは、「米国の金利で動く」ということです。
日本国債の流通市場が徐々に拡大し始めた1980年以降をサンプルとして取ると、日米10年金利差はその平均値を2.85%として、平均回帰しています。
仮定として、1. 米国10年国債利回りの上限を5%とし(→5%で止まるかとても怪しいですが)、2. 日米10年金利差が平均値の2.85%に回帰すると考えると、日本の10年国債利回りは2.15%まで上昇する計算になります。
最近の利上げ時を考えると、円の長期金利は2%程度
次に、前回と前々回の日銀の利上げ期を参考にすると、当時の日本の10年国債利回りは2%程度を上限として取引されていました。
当時と現在のインフレ率を比べると今回のほうが圧倒的に高く、また、当時と現在のインフレ期待を考えると今回のほうが(圧倒的に)高いと言ってよいでしょう。であれば、「今回、日本の10年国債利回りが2%に到達しないと考えることは困難」です。
同時に、この過去を単純に外挿した「10年金利=2%」という水準は、たとえ日本の潜在成長率が低下しているとしても、債券市場参加者の誰もが視野に入れる水準でしょう。