年金にまつわる色々な落とし穴
年金は誰もが60代になって初めて受け取ります。そのため勘違いをしてしまうケースも見られます。そのうちの1つが、先ほどの小松さんのように、ねんきん定期便記載の金額=実際の受給額だと思ってしまうことです。
「年金からも税金や社会保険料が引かれるなんて……」そんな声も聞こえてきますが、年金の手取りは、多くの場合、年金額面の10~15%程度が天引きされます。ただし、年金額や家族構成、居住地などによって異なるため、正確に知りたい場合は年金事務所に問い合わせましょう。
また、そのほかにも、こんな勘違いをする人が見られます。
年金は自分で請求しないと受け取れない
こちらも基本的なことですが、「受け取れる時期になったら自動的に年金が振り込まれる」と勘違いしてしまうケースがあります。
実際には、年金の受給権が発生する人に対して、受給開始年齢に到達する3ヵ月前に「年金請求書」が送られてきます。その請求書に必要事項を記入して送り戻すと、約1~2ヵ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届きます。
その後、今度は年金振込通知書」が届き、いよいよ年金の受給がスタートするという流れです。年金をしっかり受け取れるよう、年金請求書が送られてきたら、速やかに確認することが大切です。
なお、65歳であえて請求せずに「繰下げ受給」を選択することも可能です。
ねんきん定期便に記載されない年金がある
65歳未満の配偶者や18歳未満の子どもがいる場合、「加給年金」が上乗せになります。厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が対象で、配偶者が65歳になると「振替加算」に移行します。
加給年金(年額)は、配偶者234,800円、第1子・第2子は各234,800円、第3子以降は各78,300円です。
申請するには、「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」に必要書類を添えて年金事務所へ提出する必要があります。
数万円でも年金受給者には大きな差
現役時代には「1~2万円の差なら……」と思っていても、年金受給者になるとその重みは大きく変わります。
前述の小松さんも、決してわずかな差だとは思えず、ショックを受けた1人です。しかし、がっかりしながらも65歳からの生き方をもう一度考えるきっかけになったといいます。
「もともと少ない年金が一層少なくなって、お金のことを真剣に考え直したんです。やっぱり住宅ローンを払い終わるまで、契約社員でもアルバイトでもいいから働こうと決めました」
年金が実際はいくらもらえるのか、受給が近づいたら確認してみるとよいでしょう。
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