あんな選択をしなければ…取り返しのつかない後悔
しかし、この決断が由美さんをさらに苦しめることになりました。収入減が想像以上に生活を圧迫するようになったのです。
両親が持っていた500万円ほどの貯蓄は、介護のためのリフォームや介護用品の買い物などで、どんどん減っていきました。年金は月17万円程度で、両親二人の生活費のやりくりはできますが、余りが出るほどではありません。
仕事を辞めて時間ができたことはよかったのですが、子どもにかかるお金や自分たちの老後資金に回すための貯蓄は思うようにできません。仕事を辞めてからしばらくすると、由美さんは仕事を辞めたことを深く後悔することに。
しかし、すでに後任に仕事を引き継ぎ、戻る場所はありません。新たに就職しようにも、子育てと介護の時間を考えると、前の仕事と同等の条件の仕事を探すのは困難でした。
「なぜあのとき、もっと冷静に考えなかったのか。本当に仕事を辞めるしか手がなかったのか……」
由美さんは後悔し続けています。
