モデルルームにひとめぼれ…新築マンション購入を決断
ぴかぴかのモデルルームを実際に目にすると、一気にテンションが上がった高橋さん夫婦。新築・3LDKの間取りで、仮にもう1人子どもができたとしても安心です。
マンションの販売価格は4,600万円。我が家の家計で支払っていけるのか? そこが問題でした。そんな2人に営業マンは伝えます。
「ローン返済は、今お支払いされている賃料とそれほど変わらない形でいけると思いますよ」
その一言で、気持ちは一気に購入へと傾きました。さらに、購入を後押しするような営業トークが続きます。
「どうせ買うなら若いうちからローンを支払い始めたほうが」
「賃貸だと自分のものにはなりませんから」
「よろしければ、住宅ローンの仮審査をしてみてはいかがでしょうか……」
結果として変動金利(0.5%)であれば、貯金から頭金500万円を入れると家賃は毎月11万円弱でした。確かに賃貸の負担と大きく変わりません。
ただし、管理費・修繕積立金・駐車場代の上乗せが月2万円程度、固定資産税もあります。しかし、その程度の差はなんとかなる。そう感じました。
当時の世帯年収は600万円程度。千佳さんは育休中でしたが、復帰をしたら子どもを保育園に預けて時短勤務をする予定。夫の高橋さんもベンチャーで伸び盛りの会社のため、昇進・昇給が見込まれていました。
結局、夫婦は家を買うことを決断。しばらくして入居のために引っ越しをすると、それまでの賃貸とは違う広さ、グレードの違う設備に「買ってよかった」と心底思ったそうです。
しかし、わずか2年で「果たして買って正解だったのか」と悩むことに。その理由とは……。
夫は昇給なし、妻は欠勤で減給、物価や金利上昇の不安
その後、夫婦に予想外のことが次々と襲いかかりました。高橋さんは昇進・昇給を見込んでいましたが、実際には会社の売り上げが芳しくなく、収入を維持できているだけで御の字という状態に。
一方、妻の千佳さんは育休明けで復帰したものの、収入はフルタイム時から25%減。それは想定内だったのですが、子どもが体調不良になることが多く、有休をあっという間に使い果たし、欠勤による減給で収入が想定より減りました。また、保育料の負担も少なくありません。
大きな想定外といえば物価の高騰です。生活費自体がたった2年の間に大きく増えてしまいました。いまや金利上昇による住宅ローン返済額の増加、管理費や修繕積立金の値上げの不安も抱えています。
「なんとかなる」と購入に踏み切ったけれど、自分たちには高嶺の花だったのではないか。生活に困ったら気軽に引っ越せる賃貸暮らしのほうがよかったのではないか。買うにしても中古にするなど、もっと身の丈に合った家があったのではないか……。
長期にわたるローンの家を抱え、思うように貯蓄もできない日々にストレスを感じているといいます。
「賃貸と同じ金額」の誤算…購入前には念入りに検討を
営業マンが「家賃並みの返済額」をどんな意味で伝えたのかは不明ですが、家を買えばローン返済以外にもさまざまな費用がかかります。
収入においても、つい現状維持か増加を想定してしまいがちですが、そううまくはいかないことも。転職で昇給を考える際には、家を買ったことで勤務先のエリアが絞られ、選択肢が狭まるというデメリットがあります。
また、多くの人にとって急速な物価高は生活を脅かす要素になっていますし、住宅ローンの金利上昇も現実的なものになりつつあります。
「同世代のみんなが買っているから私も」「給料が上がるはず」「なんとか支払えるだろう」など安易かつ不確定な状況で購入を決めるのではなく、慎重に検討する必要があるでしょう。
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