二世帯住宅に響いた笑い声と、突然の別れ
Aさんは、両親と二世帯住宅で暮らす3人家族です。一人っ子として育ったAさんの息子も一人っ子。Aさんの両親にとっては唯一の孫。それはそれは大変可愛がられて育ちました。二世帯住宅なので、祖父母がずっとそばで孫の成長を見守れて、家族は平穏で幸せな時間を重ねてきました。
しかし、そんな穏やかな日々に影が落ちます。長らく病気を患っていたAさんの父親が亡くなったのです。
通院に付き添い、入院中も頻繁にお見舞いに行っていました。少しずつではありますが、覚悟はしてきたものの、いざ別れの日を迎えると、Aさんも息子もたまらなく悲しい気持ちでいっぱいに。しばらくはなにも考えられない日々を過ごします。そんな様子をみて、長年連れ添った夫を失くして同じく悲しむAさんの母親が、そっとあるものを差し出しました。
金庫に眠っていた、孫へのプレゼント
母親の手の中にあったのは、ゴールドコインでした。
「お父さん、ずいぶん前から集めていたのよ」
最初は趣味や資産運用のつもりで買いはじめたものでしたが、孫が生まれてからは、「いつかこの子が大きくなったときに」と、孫の誕生日に合わせて一枚ずつ買い足してきたのだそうです。丁寧に購入時のケースのまま保管されたコインの数々。
「成人のお祝いにでも渡そうと、楽しみにしていたのかもね……」
母親の言葉を聞き、Aさんの目からは再び涙がこぼれました。孫の将来を想い、コツコツと積み上げてきた父親の愛情の重さに、胸が熱くなります。
母親がふと呟きました。
「これ、いくらになるんだろうね」
その一言に、Aさんはハッとしました。自宅の名義変更や保険金の手続きだけでなく、このゴールドコインも「相続財産」として申告しなければならないことに気づいたのです。
Aさんは最近相続を経験したという知り合いに相談してみました。するとその知人は「自分で調べて申告を済ませたよ」といいます。そこでAさんは、知人の助言を受けながら四苦八苦して申告書を作成しました。
自分なりに完璧に仕上げたつもりで提出を終え、一息ついた9ヵ月後のこと。税務署から一本の連絡が入ります。
「申告内容について確認したいことがあるので、税務調査に伺います」
\4月14日(火)ライブ配信/
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