地元を愛し、家族を愛する兄
55歳になるAさんは、自他ともに認める「地元愛」の強い人です。近所付き合いも大切にし、地域の行事には率先して参加していました。
東京の大学に進学はしたものの、卒業後は「やはり地元に貢献したい」という気持ちが強く、地元の公務員試験に向けて勉強します。結果は合格。Aさんは長男ということもあり、地元で就職することを両親も大変喜んでくれました。
就職後は、地元の温かい人たちに囲まれて過ごしてきました。「ああ、幸せだな」Aさんは自分の幸せがなにか、若いときからよくわかっていたのです。
結婚後も両親と同居し、ときには両親に助けてもらいながら夫婦で協力して、大家族の温かさの中で子育てをしました。しかし、月日の流れとともに避けて通れない「両親の介護問題」が浮上します。介護は、子育てとはまた違った大変さがありました。妻と協力しているものの、出口のみえない日々に疲れ果て、夫婦喧嘩に発展してしまうことも。それでも、そばで親孝行ができる有難みも感じており、家族一丸となって乗り越えてきたのです。
そんな折、父に病気が発覚し、闘病生活が始まります。繰り返す入院や通院、薬の管理、ケアなど、苦労が絶えませんでしたが、家族で励まし合って看病してきました。しかし、闘病の末、ついに父の相続が発生します。落ち込む母を励ましながら、Aさん自身も「いつかは来るものとわかっていたが、もっと長生きをしてほしかった」と涙します。
父を見送るのは辛く悲しいことでしたが、落ち込んでいる時間はそんなにありません。家族なので、父の財産の行方についても考えなくてはならないからです。
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