「さっぽろ雪まつり」全体の観客数は減少も…
25年「さっぽろ雪まつり」大通会場の観客数は177万人。20年をボトムに、コロナ禍で会場開催が中止になった21年、22年を挟んで、23年175万人、24年176万3,000人と緩やかな増加傾向。
最近の景気と関連の深い身近なデータには、「ただし書き付きの緩やかな回復」を示唆するものが散見されます。
まず、2月4日から11日の日程で行われた「さっぽろ雪まつり」の全体の観客数は232万7,000人と前年比▲2.6%の減少になりましたが、これはつどーむ会場が▲11.0%の減少になったためです。メイン会場の大通会場は前年比+0.4%の増加。大通会場の観客数は20年の157万5,000人をボトムに、コロナ禍で会場開催が中止になった21年、22年を挟んで、23年175万人、24年176万3,000人に続き、25年は177万人と緩やかな増加傾向にあります。
能登半島地震から1年2ヵ月…「兼六園」入園者数が9ヵ月ぶり増
1月金沢兼六園の入園者数は前年の反動で前年同月比+97.6%と9ヵ月ぶりの増加に。また、地震前の23年1月に比べると+21.2%の増加と、地震の影響を跳ね返したかたち。
24年元日の能登半島地震の発生から1年2ヵ月近くが経ちました。総務省消防庁の「令和6年版消防白書」(25年1月21日公表)によると、能登半島地震の被害情報は令和6年11月21日時点で死者447人、行方不明者3人、負傷者1,344人、住家被害13万8,884棟にのぼるということです。
また、24年9月21日午前、石川県に線状降水帯が発生し、石川県能登地方を中心に、河川氾濫、浸水、がけ崩れ等が発生しました。死者16人、負傷者47人、住家被害2,301棟。昨年は能登地方に災害が相次ぎました。
金沢兼六園の入園者は、能登半島地震の影響で24年1月に前年同月比▲38.7%と落ち込みました。昨年は桜の開花で入園者が倍の100%に増えた4月を除いて、12月までの11ヵ月で前年同月比減少となり、24年の入園者の前年比は▲8.0%の減少になりました。
しかし、25年1月の金沢兼六園の入園者は地震の影響の反動で前年同月比+97.6%と9ヵ月ぶりの増加になりました。また、地震前の23年1月に比べると+21.2%の増加と、地震の影響を跳ね返したかたちです。ただし、25年の春節の連休は1月28日(火)~2月4日(火)までの8日間で、2024年の春節の連休2月10日(土)~17日(土)より早く、1月の前年同月比を高めている面を考慮する必要があるでしょう。
金融機関店舗強盗事件発生件数と完全失業率の関連性
24年の金融機関店舗強盗事件発生件数は11件と23年と同じ低水準に。雇用環境の良好さを示唆。
生活に行き詰っての犯行におよぶことが多い金融機関店舗強盗事件発生件数は、完全失業率との相関が高く、2006年~24年までの19年間の相関係数は0.655。近年は雇用環境が改善していることから、金融機関店舗強盗事件発生件数も少ないようです。
最近の金融機関店舗強盗事件発生件数は22年17件のあと、23年は11件と減少しました。24年は9月に4件と6年半ぶりの多さになったため年間合計の数字の悪化が一時懸念されましたが、結果は11件で前年比横這いにとどまりました。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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