「事故物件」と聞くと、多くの人が「幽霊が出る」「怖い」「縁起が悪い」といったイメージを抱くかもしれません。しかし、そもそも事故物件とは何を指すのでしょうか。本稿では、事故物件を専門に扱う「成仏不動産」を展開する花原浩二氏、税理士・公認会計士の木下勇人氏、税理士・不動産鑑定士の井上幹康氏による著書『不動産オーナー・管理会社のための 事故物件対応ハンドブック』(日本法令)より、事故物件の具体的な基準について詳しく解説します。
事故物件とは
「事故物件」という言葉を耳にする機会は多いと思いますが、事故物件という言葉は法律で定められたものではありません。不動産取引における俗称となっているため、定義や解釈は取り扱われる場所によってまちまちでした。
本稿では、国土交通省発表の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を受け、住居用不動産取引において告知が必要とされる以下の事象が発生した不動産を事故物件としています。
(ⅰ)孤独死(孤立死とも表現)
誰にも看取られることなく死亡し、発見までに時間がかかり体液や臭気の除去、害虫駆除といった特殊清掃が必要になった死
(ⅱ)自殺
自ら命を絶った死
(ⅲ)事故死
転落や不慮の事故、火災などが発生し、特殊清掃や大規模リフォームが必要になった死
(ⅳ)殺人
第三者によって殺害された事件による死
(ⅴ)その他
集合住宅の共用部などで発生した上記(ⅰ)~(ⅳ)や、隣接住戸で発生した(ⅰ)~(ⅳ)の死のうち、事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い死
マークスライフ株式会社
代表取締役
1977年、兵庫県豊岡市生まれ、流通科学大学情報学部卒業。阪神・淡路大震災の経験から地震に負けない家づくりをしたいと大和ハウス工業入社。2011年横浜支社分譲住宅営業所所長。2016年10月、増え続ける空き家問題を中心に、世の中の困りごとを不動産の可能性を追求することで解決したいと独立。事故物件のイメージアップや高額買取りへの挑戦を通じて事故物件マーケットを構築する「成仏不動産」、葬儀を儀式のビジネスから総合エンディングビジネスへと転換する支援サービス「葬祭事業者サポートサービス」など複数のサービスを展開。日本国内のみならず海外からも数多くの取材を受け、不動産業界の革命児として注目を浴びている。
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連載不動産オーナー・管理会社のための事故物件対応ハンドブック
相続・事業承継専門『税理士法人レディング』 代表
税理士
公認会計士
宅地建物取引士
1975年、愛知県津島市出身。大学時代に宅建、不動産鑑定士を取得。28歳で公認会計士試験に合格し、「監査法人トーマツ」名古屋事務所に入所。上場企業級の非上場会社オーナーファミリーの事業継承対策に従事。約5年勤務の後、33歳で独立し、名古屋で公認会計士木下事務所・木下勇人税理士事務所を開設。翌2009年に、相続・事業承継専門の税理士法人レディングの代表となる。2017年、東京にも事務所を開設。現在、全国の税理士向け、保険募集人向け、不動産事業者向けなど、相続を取り巻くプロ相手に年間150回の研修講師をしながら、相続に関する情報を発信している。不動産鑑定士第2次試験合格者。AFP資格認定。東京税理士会 京橋支部所属。
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税理士・不動産鑑定士
税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)にて、東証一部上場企業含む法人税務顧問、税務調査対応、組織再編、IPO支援、M&Aの税務DD業務、税制改正セミナー講師、財産評価を中心とした資産税実務を経験。退職後、2018年7月に税理士として独立開業。非上場株式や不動産の評価業務、中小企業や不動産オーナーの事業承継コンサルティング業務を得意とする。税理士向けセミナー講師や執筆活動も行っており、税理士からの相談実績も多数。著書に『税理士のための不動産鑑定評価の考え方・使い方』(単著・中央経済社)がある。
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