(※画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代における老後不安の解消方法は「できるだけ長く働くこと」だと語るのは、ライフシフト研究者の河野純子氏。とはいえ、60歳以降は支出が大幅にダウンするため大きく働く必要はないといいます。本記事では、河野氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、60歳以降の労働収入を考える上で知っておきたい、老後の収入・支出のリアルについて解説します。

60歳からの支出は大幅にダウン…その理由は?

前回の記事で、老後は「90歳まで収入を伴う仕事をする」ことを目標としてはどうかとご紹介しました。

 

しかし、現役時代と同様に働くということではありません。90歳まで楽しく自分らしく働き続けるためのキーワードの1つが「小さな仕事でOK」です。

 

実際にこれからどれぐらいの収入を目指せばいいのかは、それぞれの家計の事情やライフスタイル次第ではありますが、平均データを使った生涯収支から試算してみます。

 

まず支出についてです。一般的に言えば60歳からの支出は大幅にダウンします。その理由は人生の二大出費である教育費と住居費が大きく減るからです。

 

皆さんも60歳になるまでには子どもが独立して教育費の出費はなくなり、住宅ローンも退職金で完済できるという人が多いのではないでしょうか。

 

データをみると、65歳以上の無職夫婦2人世帯の場合、月々の平均支出額は28万2,497円(総務省統計局「家計調查年報」2023年)です。50代の勤労世帯(2人以上)の月49万6,772円と比べると、21万4,275円少なくなっています。

 

教育費や住宅ローンが減るのはわかるけれど、60歳以降は医療費が増えるのでは? と心配している人もいるかもしれません。けれども上記の支出の内訳で確認してみると、65歳以上の無職夫婦2人世帯で保健医療費は、月1万6,879円、単身世帯で7,981円。それほど大きな金額ではありません。

 

入院などで高額の医療費がかかった場合も、収入に応じて自己負担額の上限がある「高額療養費制度」を利用できますし、民間の保険に入っていればより安心です(この機会に保険の中身の確認はしたほうがよいですが)。

 

将来介護が必要となった場合の備えはいくら必要でしょうか。私たちが要介護2になるのは95歳と想定、それから100歳までの5年間は介護サービスを利用するとしましょう。私たちは40歳から介護保険料を払ってきているので、公的な介護サービスを自己負担1割(収入によっては2~3割)で利用できます。

 

どんな介護を受けたいかでかかる費用は大きく異なりますが、実際にかかった費用の平均として580万円(1人)というデータがあります(生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調查」2021年)。

 

内訳は初期費用(介護ベッドの購入や住宅の改修など)で74万円、その後のサービス利用料が506万円(月8.3万円×介護期間5年1か月)です。日々の暮らしの予算とは別に用意すべき資金の目安となるかと思います。

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ60歳以降の収入…退職金・年金の金額はぬかりなくチェック

※本連載は河野純子氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

河野 純子

KADOKAWA

60歳は人生の転換点。これからの40年は、楽しく働く、自由に生きる。 「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリア…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録