(※画像はイメージです/PIXTA)

60歳からの「ありたい自分」を考えるうえで、気になることは仕事だけではありません。「人生100年時代」においては、家族のあり方も変化していきます。介護の形も色々ですが、自営業やフリーランスという働き方にシフトすることで、より多くの時間を家族に費やすことができます。本記事では、ライフシフト研究者の河野純子氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、介護との向き合い方について解説します。

親の介護に向き合う時間は、自分の人生を考える時間

年老いた親とどう向き合っていけばいいのかは、私たちの年代の共通の悩みです。

 

すでに介護を経験した人、いままさに介護をしている人もいるかと思います。それぞれの親の健康状態や住んでいる場所、夫や兄弟姉妹の有無、経済状況などによって、必要な情報や選択は異なってきますが、ここでは私自身が学びになったライフシフターの選択をご紹介したいと思います。

 

坂東功規さんは、認知症の母親の介護のために会社員を卒業し、「雇われない働き方」へとシフトしました。

 

新卒で入社したホテル業界のブライダル部門で長年活躍してきた坂東さんですが、40代に入ると母親の介護が必要に。ひとりっ子の坂東さんは、離れて住む母親の世話をするために時間のやりくりがしやすい別部門に異動します。

 

けれども新たな上司との人間関係や、100%仕事にエネルギーを注げない負い目もあり、また会社が急成長する中で自身のキャリアパスが見通せなくなったことなども重なって、心が騒ぎ始めたのです。とはいえ愛着のある会社を退職する決心がつかないまま、1年以上がすぎていました。

 

そんな坂東さんをはっとさせたのが、母親の「私、こんな風になってしまうんだったら、もっとやりたいことをやっておけば良かった」という言葉でした。その言葉を聞いて、自分がそれまで会社人間で、自分の人生を生きていなかったことに気づいたといいます。

 

そして「このまま続けていたら、母のように晩年に自分の人生を後悔することになるかもしれない。母が最後の最後に自分に教えてくれることがこれなのか」とありがたさがこみ上げ、退職することを決意します。

 

けれどもやりたいことがわからない。そこで坂東さんは介護をしながら、本で学んだ「人生を振り返るワーク」をして自己理解を深め、キャリアコンサルタントという仕事を導き出しました。

 

資格を取得し、講師経験を積むために半年ほど人事コンサルティング会社に勤務しましたが、自分の人生を生きるために早々に個人事務所を設立。現在は職業訓練校の講師の仕事をメインとし、誰もが自分に合った仕事に就けるようアドバイスをしています。

 

母親は退職後1年ほどで亡くなりましたが、坂東さんは仕事を辞めて介護に専念してよかったと語っています。「やれることはやったので納得して見送ることができましたし、自分の人生を考える時間をもらえ、その時間も母からのギフトだったと思います」と話していました。

 

私が坂東さんのライフシフトから学んだことは、親の介護と向き合う時間は、自分の人生と向き合う時間でもあるということ、そして会社員であれば通算93日間の介護休業があるので安易に離職しないほうがいいという考え方もありますが、いずれは会社員を卒業するのですから、親の介護に向き合う時間を活かして、「雇われない働き方」へとシフトするのも1つの方法だということです。

 

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※本連載は河野純子氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

河野 純子

KADOKAWA

60歳は人生の転換点。これからの40年は、楽しく働く、自由に生きる。 「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリア…

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