(※画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、長く働くことが老後不安を解消する手段と言われています。しかし、具体的にいくら収入を得ればいいのでしょうか。本記事では、ライフシフト研究者・河野純子氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、65歳以降の収入・支出予想に基づき「老後、働いていくら稼げばいいか」を具体的に解説します。

65歳以降の収入は月5~10万円でOK

皆さんの場合、老後の支出と収入の差はどれぐらいになりそうでしょうか。

 

平均値の場合、65歳以上の無職夫婦2人世帯の支出は月28万2,497円、受け取れる公的年金の額(夫婦とも厚生年金受給権者)は27万6,553円なので、その差(赤字額)はわずか5,944円です。

 

つまり年金が受給できる65歳からは、夫婦2人で月々1万円の収入があれば、家計は赤字にならないのです。

 

とはいえ「老後資金」の準備は必要です。仮に90歳まで働き(前回までの記事参照)、その先100歳までを「老後」とするならば、生活費120万円(赤字分1万円×12か月×10年)と介護費用1,160万円(580万円×2人分)で1,280万円を準備しておく必要があります。

 

65歳から90歳までの25年で割れば、月々に必要な貯金額は4万2,600円ほど。先ほどの5,944円と足せば、夫婦2人で5万円ほどの月収が得られれば十分に賄えます。

 

問題は年金が受給できる65歳になるまで。継続雇用を選ぶのも1つの手ですが、夫婦2人で28万円(1人14万円)の月収が得られれば生活できると考えれば、会社にしがみつかないという選択肢もありそうです。

 

それから、この試算はあくまで平均値。例えば前述の平均支出のうち、住居費は月1万6,827円となっています。これは持ち家比率の高さ(65歳以上で84.5%/高齢社会白書2024年)を反映したもの。賃貸派の人は当然ながら家賃を見込んでおく必要があります。

 

また定年退職したら、旅行にも行きたい、習い事もしたいという人も多いはず。そんな「ゆとりある生活」を目指すのであれば、月38万7,000円が必要というデータもあります(生命保険文化センター60歳代が考える「ゆとりある老後生活費」2022年)。

 

先ほどの平均支出+10万円ですから、夫婦2人で+10万円の収入(合計15万円、ひとり7万5000円)が必要ということになります。

 

このように個人差はありますが、平均すると65歳以降の収入の目標は、月5〜10万円と試算できます。

 

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※本連載は河野純子氏の著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし

河野 純子

KADOKAWA

60歳は人生の転換点。これからの40年は、楽しく働く、自由に生きる。 「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリア…

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