セブン‐イレブンの特徴・POSシステムの導入
POSとはPoint of Sales の略で、POSシステムとは販売時点情報管理システムと訳される。買い物客の会計時にレジの端末から入力される情報を集め、いつ、どんな商品が、いくらで、どれくらい売れたのかを単品レベルで集計し、ネットワーク上で把握するシステムであった。
セブン‐イレブンは1982年にPOSシステムを導入し、小売業の情報システム化をリードしていく。当時、アメリカではすでにPOSシステムが使われていたが、その目的は、省力化、正確性の向上、不正防止といったレジ係の店頭業務上の対応にあった(セブン‐イレブン・ジャパン『セブン‐イレブン・ジャパン 終りなきイノベーション 1973-1991』セブン‐イレブン・ジャパン、1991年)。
それに対して、鈴木は、売れ筋商品の把握と死に筋商品の排除という情報を把握するためのツールとしてPOSを活用したのである。 セブン‐イレブンでは、本部、加盟店、問屋、メーカー、共同配送センターとの間に高度な情報ネットワークを構築し、効率的な配送や魅力的な商品開発を情報面からも支えるしくみを整えた。
セブン‐イレブンのイノベーション
以上のように、日本のセブン-イレブンは、物流や商品開発に加え、情報通信技術の活用にまで及ぶイノベーションを達成した。安売りではなく、利便性の提供というコンセプトに基づく高い利益を追求し、その利益を本部と加盟店で分け合う。中小小売店との共存共栄という初発の問題意識は、このような日本型コンビニのかたちとなって結実したのである。
(注)エリア・フランチャイズを含む。ただし、ミニストップのみエリア・フランチャイズの数字を得られず合算していない。
この間、セブン‐イレブンの国内店舗数は、1974年に酒屋からの転換による1号店が開店してから、1980年に801店、1990年に3954店、2000年に8153店へと大きく増加し(セブン‐イレブン・ジャパン『セブン‐イレブン・ジャパン 終りなきイノベーション 1991-2003』セブン‐イレブン・ジャパン、2003年)、[図表2]に示す売上高ランキングの通り、最大手のコンビニエンス・ストアとして業界の発展をリードしたのであった。
満薗勇
北海道大学大学院経済学研究院准教授
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