兄嫁から文句ばかり
ところが、最近になり、兄嫁が母親と生活するのはストレスになるから、純子さんに面倒をみるようにと何度も連絡が来るようになったのです。
母親は80代になり、介護が必要になってきたこともあり、兄嫁が音をあげることも無理はないと思えます。
純子さんは母親とも相談し、ひと月のうち一週間程度実家に行き、介護する形を取れないか考えました。
けれどもそれでは兄嫁へのストレスは変わらないため、近くにマンションを購入してはどうかとも考えたとのこと。こうしたことはどうしたらよいかというのが相談の内容でした。
購入することは対策になるが、遺言書も必要
母親のお金で母親名義のセカンドハウスとなるマンションを購入することは、現金よりは評価が下がりますので、節税対策になります。定期預金に預けたままでは節税になりませんが、不動産にすることで時価の半分以下の評価に変わります。
兄嫁のストレスを軽減し、節税効果が高まる不動産の購入をすることは効果的だと言えますが、次に必要なことは財産の分け方を決めて遺言書にしておいてもらうということです。
父親の相続では、兄嫁主導で進みましたので、母親が亡くなったときも当然そのようなことになると想像できます。だからこそ、母親の意思で分け方を決めておいてもらう必要があります。不動産の購入が決まれば、合わせて遺言書も作成してもらうよう、純子さんに説明しました。
純子さんは、父親の遺言書がなくて苦労をしたので、今度は母親に遺言書を作ってもらうように頼んでみると言って帰りました。
まとめ
介護のストレスで母親を看ないと宣言する兄嫁に対処することは必要ですが、感情的な話にならないように、相続になった時のために遺言書は必須だと言えます。
曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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