(※写真はイメージです/PIXTA)

60歳で定年を迎え、その後65歳まで働くかどうかを悩む人が増えています。悩む理由の1つが再雇用になると給与が減額される点です。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、再雇用における現実と具体的なケースについて解説します。

野球を趣味にした活動

実は和夫さんは小さいころから野球をしており、社会人野球のチームにも所属していました。そのため、今でもボランティアで少年野球のコーチを務めるなど、野球に関わる活動を続けています。定年後は時間が自由になる分、こども達と触れ合う機会も増えますし、運動することで健康な身体を維持できると考えたのです。

 

考えた末、60歳で退職金を受け取り、その一部を運用に回して切り崩すほか、家計を見直し、支出を抑えることにしました。実際定年退職するとスーツも不要ですし、ビジネス用の靴を買う必要もありません。また、お昼ご飯を自炊にすれば、毎日1,000円近くかかっていたお昼ご飯代も浮かせられます。

 

また、妻の美佳さんの収入が2年間ある点もありがたい点です。年収はボーナスも含めたら600万円程度ですが、それでも毎月30万円くらいは手元に残る計算です。

 

マンションのローンも完済しており、一時的に資金が必要なときには和夫さんの貯金から引き出せば大丈夫でしょう。

 

美佳さんに60歳で定年退職すると決めたことを伝えると、美佳さんも納得してくれました。

 

散々悩んだ末の結果ですが、生きていればいつ何があるかわかりません。60歳からの時間を再雇用で過ごすよりも、自分の楽しいことを見つけて取り組むほうがいいと考えたのです。

 

90歳まで生きるとして、どのくらいの金額が必要かといったことを考えたりもしましたが、お金があっても楽しめなければ意味がありません。逆にいつ死ぬかわからないのにお金の不安ばかりをしている人生はまっぴらだと感じたのです。

 

もちろん、病気になったときや介護状態になったときの蓄えは必要ですが、そうならないように気をつけるほか、介護状態になったときに使えるサービスをよく知って効率よく使うことを考えるほうが気分的にも楽です。

 

「健康はお金では買えない。」この言葉が和夫さんの今回の決心の基となっていますが、確かにそのとおりです。

 

和夫さんは60歳までこれまでの収入を維持しつつ、これから結婚する娘や産まれてくるだろう孫のことも考えながら、別のお金のかからない趣味なども見つけようと考え始めています。

 

 

新井智美

トータルマネーコンサルタント

CFP

 

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