「なぜ?」「どうして?」では本当の原因はわからない
会議がスタートして、「それで、前回の例の件はどのくらい進んでいる?」 と進捗状況を確認してみたら、視線をそらしたり、口ごもったりする部下がちらほら……。さては何も行動を起こしていないな、と勘づいたとします。
このとき、前回の会議を終えてから、部下がやるべき行動を起こさなかったことを問題にする前に、1つだけ考えてみてください。
それは、「前回の会議の終わらせ方が甘かったのではないか?」 という点についてです。
会議で、そのとき話し合ったテーマについて、今後の方針や目指すべきゴールが固まったら、ひと仕事終えたとばかりにほっと息をつきたくなります。
でも、そこで会議を終わらせるのは早すぎます。みなで協力して向かうべきゴールが決まったあとは、1人ひとりの行動に落とし込まなければなりません。
誰が、いつまでに、どのような仕事を終わらせるのかを、きっちり決めておく必要があります。こうして役割と期日を明確にしておけば、部下たちも行動を起こしやすくなるからです。「あとは各自うまくやっておいて」では、誰もやりません。
一方で、具体化したのに、もし行動を起こさなかった部下がいたとしたら、それは部下が何か問題を抱えている可能性があります。
だからといって、「なぜやらなかったんだ!」「どうして決まった通りに動かないんだ!」と責めるのが得策ではないということは、みなさんおわかりでしょう。
叱りつけても、彼らは下を向いてだんまりを決め込むか、「すみません」をくり返して嵐がすぎるのを待つかです。 そうではなく、「実行の邪魔をしたものはなんだろう?」「君の行動を止めたものはなんだろう?」と尋ねてみてください。
行動を起こさなかった部下を咎めることはしません。「あなたは仕事をきちんとできる人である」という大前提に立った上で、「そんなあなたが行動を起こせないように邪魔したものは、一体なんですか?」と問うのです。
そうして部下自身に、自分の行動の障害となったものを探ってもらいましょう。
もしかしたらその部下は、そもそも前回の会議で決まった方針を理解していなかったのかもしれません。またはなんらかの理由でモチベーションが下がっていたのかもしれないし、ほかの仕事でトラブルを抱えていて手が回らなかったのかもしれません。

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どういった「障害」があったにせよ、それを取り除くためにどうするか一緒に対応策を練るためには、何が「障害」であったのかを上司と部下で共有する必要がありますよね。
そしてこの質問は、「一緒に問題を解決しよう」と部下に手を差し伸べるためのものでもあります。部下を責めず、否定せず、自分が部下の味方であることを印象づけるものです。
部下に心を開いてもらって、何が行動を邪魔したのか素直に教えてもらわないことには、次の段階に進めません。部下が本音をしゃべりやすくなるような空気感を、「いい質問」で上手に作り上げてください。
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