高関税政策で損失を被るセクターと、恩恵を受けるセクター
フィリピンは、トランプ米大統領が進める高関税政策によって、主に機械や電気機器の輸出が影響を受けると見られ、最大18.9億ドル(約1,076億ペソ)の輸出損失に直面する可能性があります。
高関税の影響を受ける製品の多くは現在、米国の関税がほとんどまたはまったくかかっていないため、関税の引き上げが大きな影響を及ぼす可能性があります。最も影響を受けるのは、ディスク、テープ、フラッシュメモリなどの記録媒体で3億8,670万ドルの減少予測。ほか、ココナッツおよびパーム油の輸出は3億7,450万ドル減、自動データ処理機器は1億8,760万ドルの減、電気変圧器や静止型変換器、インダクターなどの電子機器は1億4,350万ドル減、電話機やスマートフォンなどの通信機器は1億3,000万ドルの減少が予測されています。その他、電子集積回路(9,782万ドル)、機械部品や付属品(7,700万ドル)、絶縁ワイヤーやケーブル(7,400万ドル)、モニターやプロジェクター(6,400万ドル)、甲殻類や軟体動物などの水産物(6,300万ドル)も影響を受ける可能性があります。
一方で、関税政策による貿易転換の効果により、一部の製品では輸出が増加する可能性が指摘されています。特に衣料品や履物の輸出においては、米中貿易戦争時に恩恵を受けることが期待されています。ただし、その貿易転換による利益は比較的控えめなものにとどまると考えられています。
フィリピンの輸出で最も大きな貿易転換の恩恵を受けると予測されているのは、レーザー機器で3,730万ドルの増加。座席部品の輸出は1,820万ドル増、スーツやジャケット、ズボン、ドレスなどの衣料品が1,730万ドル増、カジュアル衣料品(ジャージーやカーディガンなど)が1,700万ドル増、女性用のスカートやズボンも1,300万ドルの増加が予測されています。
フィリピンは、米国の関税政策による影響を最小限に抑えるために、輸出市場の多様化を進める必要とされ、他の国々との貿易関係を強化し、新たな市場を開拓することが求められています。また、米国市場への優先的アクセスを追求することも重要であると指摘されています。
特に求められているのは。中国やインド、インドネシアなどの市場における貿易転換の機会を活かすこと。輸出が大きく影響を受ける主要5品目(記録媒体、ココナッツ、データ処理機器、電気変圧器、電話機)について、中国、香港、ドイツが主要な輸入国であるため、これらの市場において貿易投資ミッションを強化し、貿易協定の締結を模索することがフィリピンにとって有益であると考えられています。
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