前回は、不動産売却の成否を分ける「情報戦」について見ていきました。今回は、完全に売手サイドに立ってくれる「不動産仲介事業者」の探し方について説明します。

仲介業者によって能力や信頼性、やる気などに違いが…

不動産を売却する経営者にとって、不動産仲介事業者は頼りになる味方です。出口戦略においては買手候補探しから売却にいたるまで、さまざまな業務をサポートしてくれるだけでなく、不明の事項について問い合わせたり相談したりする相手でもあります。

 

ただし、能力や信頼性、やる気の高さなどには大きな違いがあり、経営者の利益を第一に考えた上で優れた集客力や提案力により高値売却を実現できる不動産仲介事業者はあまり多くありません。頼れる真のパートナーと出会うため、不動産売却を検討している経営者は能力及び人格という両面で信頼できる人物を探す必要があります。

 

探し方の基本となるのはとにかく多数の仲介事業者と会って話をすることです。

 

1日5社、10日で50社くらいの仲介事業者と出会うことを目標にしてください。不動産仲介事業者にはさまざまなタイプがあり、得意とする物件や普段付き合いのある顧客層が違います。小さな宅地の仲介が得意な会社もあれば、大きな商業用地や開発用地を主に扱う会社もあります。古くから地元で営業しており、地場の有力者や有力企業と深い付き合いがある会社がある一方、全国的に広く顧客を持っている会社も見受けられます。

厳しい条件でも対応するのが業者の仕事

経営者の中には「こんなことを希望していいのだろうか?」という遠慮があり、不動産仲介事業者が言う通りの価格や条件をのむ人がいますが、遠慮は無用です。

 

「もしかしたら無茶かもしれない」と思う希望であっても堂々と伝えましょう。「不動産鑑定士が査定した額の2倍にあたる価格で売りたい」「建築物が建っている土地を現況渡しで売却したい」「物件の引渡しは1年後でお願いしたい」など、売却のハードルが上がる売主の希望は多々あります。

 

厳しい条件であっても、それをかなえるのが不動産仲介事業者の仕事です。「そんな値段では売れませんよ」「もっと売りやすい条件で妥協しましょう」などのアドバイスをしてくる担当者はやる気がないと判断して間違いありません。

 

まずは売主の条件をすべて聞いて「やってみます!」と言ってくれる事業者を選ぶべきです。その上で実現にいたるやり方を説明できる事業者がいれば、売手のことを真面目に考える不動産仲介事業者とみなすことができます。

本連載は、2016年8月16日刊行の書籍『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

大澤 義幸

幻冬舎メディアコンサルティング

事業が悪化し経営苦に陥った中小企業経営者の切り札「不動産売却」。できるだけ高値で売却して多額の負債を返済したいと考えながらも、実際は買手の〝言い値″で手放せざるを得ないケースが多い。しかし、売れないと思っていた…

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