1.概観
【株式】
●1月の主要国の株式市場は、欧米好調、アジアが不振でした。米国株式市場は、月初からクルーズなどレジャー関連、ハイテク株、電力株をけん引役に上昇しました。ディープシークショックを受けて、半導体株や電力などデータセンター関連株が急落する局面もありましたが、好調な企業収益を背景に、月間ではプラスで引けました。欧州の株式市場では、金融株などが悪材料出尽くしから反発し、DAX指数、FTSE指数ともに上昇しました。長期金利の高止まりは金融株に好材料となったとみます。日本株式市場では、経済政策に対する失望や政策金利引き上げから、株価は下落しました。中国株式市場は、トランプ政権の追加関税を警戒して株価は軟調でした。インド株式市場も利益確定売りが続き軟調でしたが、豪州株式市場はレジャー関連、金融株が好調で上昇しました。
【債券】
●米国の10年国債利回り(長期金利)は、発表された経済指標が想定以上に強く、月央まで上昇しました。しかし、利下げ期待が縮小するとともに物価上昇率加速懸念等も後退し、長期金利は低下に転じました。欧州中央銀行(ECB)は1月も追加利下げを行いましたが、ドイツの長期金利は月初の米国の長期金利の上昇に引きずられる形で高止まりしました。日本の長期金利も、日銀の政策金利の引き上げや米長期金利の上昇などの影響を受けて上昇しました。
【為替】
●円の対米ドルレートは、日銀の政策金利引き上げにもかかわらず、1ドル155円近辺で推移しました。
【商品】
●原油価格は、中東情勢の緊張は緩んだ印象はあるものの、米国の景気が底堅く、価格は若干上昇しました。

