1.概観
【株式】
●2月の主要な株式市場では、欧州、中国、香港は上昇しましたが、日本、豪州、インド、米国が下落しました。米国株式市場では、S&P500種指数は大型ハイテク株を先導役に一時史上最高値を更新しましたが、月後半には弱い経済指標が続き月間ではマイナスとなりました。金融株のウェイトが大きいNYダウは、月初から軟調な展開でした。欧州の株式市場では、DAX指数、FTSE指数ともに上昇しました。ESGを重視する欧州資金が米国株から欧州株に投資先を移すなどホームバイアスが強まっているようです。日本株式市場では、先行きの不透明感から、リスクオフの売りが続いているようです。中国株式市場では、テクノロジー株など工業セクターが上昇しました。香港では中国テクノロジー株に加え、米国長期金利の低下を背景に中旬以降不動産セクターも上昇に転じました。
【債券】
●米国の10年国債利回り(長期金利)は低下しました。トランプ大統領再選後の長期金利の上昇は、タームプレミアムの拡大が要因であった模様で、低下余地が大きかったようです。弱い経済指標が出ると、さらに大きく低下しました。欧州中央銀行(ECB)は追加利下げを行いましたが、ドイツの長期金利の低下幅は米国に比べ小幅でした。日本の長期金利は、日銀の政策金利の引き上げや米長期金利の上昇などの影響を受けて上昇しました。
【為替】
●円の対米ドルレートは、日銀の政策金利引き上げと再利上げ観測の浮上で、一時1ドル140円台までの円高となりました。
【商品】
●原油価格は、米国の原油在庫の増加など需給緩和を背景に下落しました。