パワービルダーの価格破壊のすごさ
A型でもB型でもない、第3の販売スタイルがC型です。
このC型は大量生産・供給をおこなう大手および新興ハウスメーカーのやり方です。これらの企業の登場が、分譲住宅業界を揺るがすものとなりました。
特に有名なのがI社とO社ですが、彼らは業界内でパワービルダーと呼ばれ、スケールメリットによる建材の大量仕入れに加え、各工程を自社で請け負うワンストップ体制や広告宣伝費等を最小限に抑える努力、経営管理の徹底によって、コストパフォーマンスの高い物件を供給しています。
パワービルダーは、とにかく低コストとスピードを重視しています。彼らは資金力があるがゆえに、事業に資本投入をしやすく、土地や資材の大量購入が容易です。まとめて大量購入することで住宅設備も安い価格で設置でき、建物価格が相対的に下げられるのです。
そして、広告宣伝費を最小限に抑え、自社にセールスを抱えずに販売を不動産仲介会社に丸投げするケースもあります。
このように、エリアの一等地をパワービルダーが一括して高値で一気に買い押さえて、著しく安い建物を量産し、スピーディに完売させる手段を取られると、他の事業者は同地域内ではなかなか勝てないという構造になっているのです。
彼らは安く分譲住宅を提供することによって、購入者の年齢層を広げました。特に若い世代の取り込みに成功したといえます。社会人になって間もない時期に購入できるような販売価格で住宅を提供することで、若い人たちにも「マイホームが持てる」という夢と希望を抱かせることができました。
若いうちに購入をすれば当然ながら長い年月の住宅ローンを組むことができるので、相対的に月々の支払いは低く済ますことができます。それによっても、購入のハードルを下げています。
家を持ちたい若い世代へのニーズに応えることができているのがパワービルダーの特徴の一つです。
