(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁によると、令和4年の税務調査(法人)の実地件数は約6.2万件だったそうです。1日あたり約170社が対象となる税務調査について、税務署から“狙われやすい会社”にはどのような傾向があるのでしょうか? “狙われにくい会社”になるためのポイントとともに、税理士法人松本の代表税理士である松本崇宏氏が解説します。

税務調査が入りやすい業種

企業の業種によっては、税務調査を受けやすい傾向が見られます。

 

具体的には、以下の業種が税務調査の対象になりやすいとされています。

 

●医療機関

●不動産取引関連

●建設関連業

●パチンコなどの娯楽産業

●宗教法人

●法律事務所(弁護士法人)

●風俗関連事業

●飲食店

●IT関連企業

 

これらの業種に該当する法人は、日頃から帳簿や取引記録の整備を徹底し、いつでも税務調査に対応できる状態を保つことが重要です。

 

申告内容に不審な点がある

税務署は申告内容に不自然な点が見受けられる場合、その原因を明らかにするために税務調査を行う可能性が高くなります。

 

特に以下のようなケースでは、疑念を抱かれるリスクが高まるため、注意が必要です。

 

●売上に対する経費の割合が過剰に高い場合

●大幅な損金を計上している場合

●同業他社と比較して利益率が著しく低い場合

●貸借対照表で異常な値動きが見られる場合

 

たとえ正当な計算であっても、申告が税務署の目に不自然に映ることがあります。

 

そのため、税務調査に備え、計上した数値の根拠や損金の発生理由などについて、適切に説明できる準備をしておくことが大切です。

 

業績が好調なのに赤字

長期間にわたって赤字が続いている企業や、業績が好調にもかかわらず赤字決算を計上している企業は、税務調査の対象となる可能性が高いと考えられます。

 

そもそも赤字とは、企業が提出する財務書類上の数字にすぎず、実態として赤字かどうかは明確ではありません。

 

特に、業績が好調であるにもかかわらず赤字を装い、税負担を回避しようとする意図が見受けられる場合は、税務署の注目度も高くなります。

 

このような理由から、毎年赤字決算を申告している企業に対しては、税務当局が慎重に状況を確認する必要性が高まると言えます。

 

昨年と比較して経費が大幅に増えた

法人の経費が前年度に比べて著しく増加している場合、税務署がその要因や状況を詳細に調査する可能性が高くなります。

 

特に外注費や交際費、広告宣伝費といった特定の費目に多額の支出が集中している場合、税務署がその内容や正当性を精査することがあります。

 

不自然な経費の計上や過剰な支出が疑われるリスクが高まるため、慎重な対応が求められます。

 

法人としては、経費の大幅な増加があった際、その理由や背景を正確に整理し、適切に説明できるよう備えることが重要です。

 

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