(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁によると、令和4年の税務調査(法人)の実地件数は約6.2万件だったそうです。1日あたり約170社が対象となる税務調査について、税務署から“狙われやすい会社”にはどのような傾向があるのでしょうか? “狙われにくい会社”になるためのポイントとともに、税理士法人松本の代表税理士である松本崇宏氏が解説します。

税務調査の対象になりやすい企業の特徴

税務調査の対象になりやすい企業の特徴については、以下の7つが挙げられます。

 

●売上や利益に大きな変動がある

●事業規模が大きい

●過去に税務調査で指摘されたことがある

●税務調査が入りやすい業種

●申告内容に不審な点がある

●業績が好調なのに赤字

●昨年と比較して経費が大幅に増えた

 

それぞれの特徴について解説していきます。

 

売上や利益に大きな変動がある

業績や売上に大きな変動がある企業は、税務署の調査対象となりやすいとされています。

 

特に売上が急激に増加した場合、通常は納税額もそれに伴って増えるため、税務署は売上の急増と納税額の整合性を確認し、不自然な点がないか精査します。

 

さらに、納税額は売上高そのものではなく、利益を基準に算出されるため、売上が急増しても利益の伸びが比較的小さい場合には納税額も少なくなることがあります。

 

このような状況が不自然とみなされ、疑いを持たれる可能性があります。

 

実際には、利益を減らす要因となる経費や損金が正当に発生していても、場合によっては所得隠しを疑われ、税務調査の対象となることがあるため注意が必要です。

 

事業規模が大きい

大規模な事業を展開する法人は、税務調査の対象になることが比較的多いとされています。

 

一般的に、事業規模が大きい法人ほど納税額も増加する傾向があるので、申告内容に誤りがあった際、納税額に与える影響が大きくなるため、税務署の注目を集めやすく、調査の対象に選ばれる確率が高まると考えられます。

 

しかし、あくまでも「規模が大きい法人が対象になりやすい」という傾向を示しているだけであり、規模の小さい法人が税務調査を免れるわけではありません。

 

規模が小さい法人であっても、特定の要因が目立つ場合には調査の対象となる可能性が十分にあるので注意が必要です。

 

過去に税務調査で指摘されたことがある

税務調査の対象に選ばれるかどうかは、過去の税務調査での対応が大きな影響を与えることがあります。

 

特に、以前の調査で申告漏れなどの問題を指摘された経験がある場合、その法人は税務署に「再び問題が発生する可能性がある」と判断される可能性が高まります。

 

一方で、毎年適切に納税を行い、特に問題が指摘されていない法人は、調査対象に選ばれるリスクが低くなりやすいと言えます。

 

このように、税務署は過去の指摘事項が適切に是正されているかを確認する必要があるため、以前の問題が解消されていない法人は調査対象に含まれやすい傾向があります。

 

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