老後資金は「年収の5倍」だが……40歳から貯めれば十分
20代、30代から老後の心配をしていると、容姿も言動も、老婆のようになってしまうから気をつけて! 今は借金をつくらず、10年後くらいまでの将来を思い描きながら、収入の一定割合を貯金・投資していけば十分だ。
とはいえ、一度簡単な計算をしておくと不安が消えるだろうし、世の中の間違った情報にまどわされなくてすむ。やってみよう。
退職までに貯めたい金額は、ずばり年収の5倍。年収400万円のシングルなら2,000万円が目安だ。そこから退職金の見込み額を引いたのが、自分で貯める額。
根拠は添付の画像のとおり。退職金が年収の2年分あるとき、40歳から65歳までの25年でこの額、年収の3倍を貯めるには、収入の12%(300%÷25)を貯め続ければいい。ただし、これは老齢厚生年金を受けとる会社員・公務員の場合。
自営業やフリーランスは、年金額が少ないので、会社員の1.5倍貯めたいところ。ただ、65歳以降もなんらかの形で収入があるなら、貯める額は少なくてすむ。20代からNISAで積み立て、40歳からiDeCoを加えれば、無理なく達成できる。
貯金よりもっとずっと頼りになる“仕事力を磨き続ける”
働いて収入があるときにその一定割合、10~15%をずーっと貯め続ければ、人生のいろんな場面に対処できる。老後も心配ない。
でも、実は貯金よりもっと頼れるものがある。仕事力だ。
現役時代の収入(手取り収入の平均)が月30万円のとき、退職後の生活費は月18万円(60%)ほど。家賃も住宅ローンもないし、貯金もしなくていいから意外と少ない。月12万円(40%)の公的年金を受けとると、足りないのは月6万円ほど。
月6万円を、25年分(65歳から90歳まで)準備すると1,800万円。けっこうな額だ。でも、月6万円を稼ぐのって、そんなに難しくない。
時給1,500円の仕事なら月40時間、1日5時間×週2回働けば稼げる。
66歳から10年間、月6万円稼げれば、貯めるのは1,080万円でいい。80歳までなら720万円。そんなに長く働けない? そんなことはない。80代で現役の人はたくさんいる。
お医者さんや翻訳家、プログラマーやフィットネス・インストラクター、八百屋さんやレストランの主人、芸術家……。共通点はみんな自分の仕事を愛していること。肉体労働は難しくても、ネットなどで稼ぐ手はいくらでもあるだろう。
だから、長く楽しく続けられる仕事を見つけて、それをライフワークに育てていくのが、いちばん確かな老後対策だ。貯めたお金は詐欺にあったり盗まれたり、投資の失敗、災害などで失うことがある
けど、仕事をする力は盗まれない。
ずっと楽しく働くには、健康とネットワークづくりが不可欠。今からとり組もう。
中村 芳子
ファイナンシャル・プランナー
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