テンバガー達成に欠かせない「なぜ投資したか」というロジック
エミン:テンバガーを達成するというのは、そこに到達するまでの精神的なコストを払う必要があって、多くの人はそれを払いきれずに脱落するんです。
10倍になるような銘柄の株価はボラティリティが大きいので、10倍になるまでの間に株価が半分になって、売ればよかったと思うこともあります。多くの人は、下げている間我慢していたとしても、買値まで戻ったところでやれやれと売っちゃうんですよ。
ビットコインだって10年前に買っていた人は、持ち続けていれば今ごろは富豪だろうけど、それができている人はわずかだと思いますよ。
木原:確かに、100万円投資して200万円になった時点で売りたくなってしまうということは普通にありますね。それを1,000万円まで握り続けるというのは至難の業かもしれない。株価を見てなかったら可能かもしれませんが。
エミン:だからこそ、なぜ投資をしたのかというロジックが必要です。自分が立てたストーリーを信じてずっと握れるかどうかが勝負なんです。5倍になる、10倍になると見込んで投資したなら、そのロジックが崩れていない限りは持ち続けていいんですよ。
ただ、プロのギャンブラーや木原さんみたいなポーカープレーヤーにとっては、そんなに難しくないんじゃないかな。たとえば、最初に勝ってチップが倍になったら、賭けた分のチップをテーブルからおろしてしまう感覚です。テーブルに残っているのはタダで獲得したチップだけという状態にすれば、その後はいくらでもリスクを取れるんじゃない?
木原:いわゆる「恩株(元本を回収済みの保有株のこと、2倍に値上がりした株を半分売れば恩株になる)」みたいな考え方ですね。実は僕はそれがまったく理解できないんです。恩株だろうと、その株をいくら保有しているという点は一切変わらない。そういう意識を常にフラットに見ることができるのは自分の強みだと思いますし。
また、保有銘柄については、ポートフォリオ全体の何%までというのをだいたい決めているので、ひとつの銘柄があまりに大きく値上がりして割合が大きくなり過ぎてしまうと、リバランス的に売却してしまいます。そもそも値上がりしたら「割安」という買った理由が消えますし。基本的にはテンバガーを達成できるタイプではないと自分でも思います。
エミン:なるほど、木原さんはそういうタイプなんですね。テンバガーは達成できなくても、それはそれでひとつの投資スタイルだと思います。
エミン・ユルマズ
エコノミスト、為替ストラテジスト
木原 直哉
プロポーカープレーヤー
※本記事は『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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