(※写真はイメージです/PIXTA)

今回は、不動産投資をする際に留意すべきリーガルリスクについて詳しく解説します。
※本連載は、早稲田リーガルコモンズ法律事務所が提供する、所属弁護士によるコラムを一部抜粋・再編集したものです。

借り手がすぐに賃料を払わなくなったら?

上記の例で、Cさんが投資用不動産を無事に購入でき、しかも、借り手が見つかった場合、借り手との間で賃貸借契約を結びます。

 

Cさんは投資として不動産を購入しているので、賃貸業(大家業)をやるわけではありません。賃貸借契約を締結する際に何か留意すべきことがあるのでしょうか。また、賃貸借契約を締結できても、その借り手がすぐに賃料を払わなくなったらどうでしょうか。Cさんとしては、賃料を受け取ることで、銀行のローンの返済に充てることを考えていますので、賃料不払が続いてはCさんにとって死活問題です。

 

Cさんが賃料の支払を求めても「来月になったら支払います」と言い続けるだけで、一向に払ってくれません。その場合、賃料をどうやって払っていただくのか、払っていただけない場合に退去を求めることはできるのか。交渉をすべきなのか、はたまた訴訟を起こすのがよいのか。

 

ここでも法的なトラブルに発展する可能性があるといえるでしょう。Cさんは、賃料収入をあてにして物件を購入したものの、借主は賃料を支払いません。賃料収入をあてにして、毎月のローンの支払いに充てようと思っていましたが、賃料収入がない以上、ローンが支払えない状態になってしまいました。やむを得ず、物件を売却するしかありません。

 

物件にもよりますが、物件の価値は、普通は時とともに目減りしていくので、売却しても銀行ローンを完済できない場合が出てきます。その場合には、銀行の負債を負っていくことになります。

 

もしその支払いができない場合には、最終的には「自己破産」をしなければならないのでしょうか。でも、自己破産だけは避けたい。そのような場合には「個人再生」という手続きがあります。いずれにせよ、債務を整理する必要が出てきますので、ここでも法的なトラブルに発展する可能性があります。

 

もちろん、不動産投資によって、利益をあげている人はたくさんいます。それをきちんと利用して、成功に繋げている人もいますので、不動産投資は魅力があるともいえます。

 

ただ、一方で、法的なトラブルに発展する可能性も少なくないので、不動産投資にチャレンジする場合には、リーガルリスクを見極めたうえで、取り組んでいく必要があるでしょう。

 


加藤慶二
早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士

 

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