(※写真はイメージです/PIXTA)

相続人がいない場合、被相続人の財産は国に帰属するのが一般的です。しかし、特別な事情がある場合には「特別縁故者」として財産を受け取ることが認められる可能性があります。では、どのような人が特別縁故者と認定され、財産分与を受けられるのでしょうか。本記事では、特別縁故者の定義や認定条件、申立ての手続きなどについて詳しく解説します。

特別縁故者として認められるまでの手順

特別縁故者として認められるには、家庭裁判所への申し立てが必要です。

 

たとえ被相続人の内縁の妻であり、他に相続人がいない場合でも、国が自動的に特別縁故者と認定してくれるわけではありません。生前のサポートや葬儀への尽力があったとしても、特別縁故者として財産を受け取るには、家庭裁判所に申し立てを行い、認定されることが必須です。

相続財産管理人の選任と役割

相続人がいない場合、まず被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続財産管理人の選任」を申し立てる必要があります。

 

相続財産管理人は、被相続人の財産の調査や管理、債務の清算などを行う重要な役割を担います。管理人は利害関係者からの申し立てに基づいて家庭裁判所が選任し、その後、債権者への配当などを適切に行います。

 

申立書に必要事項を記入し、所定の書類を添えて家庭裁判所へ提出することによって申し立てできます。必要な書類や費用については、家庭裁判所の「相続財産管理人の選任」に関する案内を確認してみてください。

法定相続人の捜索方法

相続財産管理人が家庭裁判所に選任されると、その情報が官報に公告され、法定相続人の捜索が始まります。

 

公告の期間は6ヵ月で、その間に法定相続人が見つかれば、どれほど疎遠であってもその相続人が遺産を受け取る権利を持ちます。

財産分与申立ての流れ

法定相続人が官報公告から6ヵ月経っても見つからない場合、その不存在が確定します。この段階で初めて「特別縁故者に対する相続財産分与の申立て」が可能となります。なお、申立ては官報公告の満了から3ヵ月以内に行う必要があるため、期限を忘れないようにしましょう。

 

家庭裁判所が特別縁故者として認めれば、被相続人の財産はその特別縁故者に分与されます。

 

申立ての時期と期限

 

申立ては、官報公告満了から3ヵ月以内に行わなければなりません。この期間を過ぎると申立ての権利を失うため、早めの対応が必要です。

 

必要な書類と費用

 

申立てには以下の書類と費用が必要です。

 

1.書類

 

・申立書(1通)

 

・申立人の戸籍謄本(法人の場合は資格証明書など)

 

・被相続人の戸籍(除籍)謄本

 

・特別な縁故を証明する資料

 

・相続財産目録

 

・親族関係図(親族として申立てを行う場合のみ。関係を示す現在戸籍、除籍、改製原戸籍謄本も必要)

 

2.費用

 

・収入印紙:800円

 

・連絡用の切手代:裁判所によって異なるため、各地の裁判所一覧から確認

 

特別縁故者の認定と財産分与決定

特別縁故者としての申し立てが認定されると、被相続人の遺産がその特別縁故者に分与されます。

 

もし認定されなければ、相続人がいないと判断され、遺産は国庫に帰属することになります。

 

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