(※写真はイメージです/PIXTA)

親からの資金援助で夢のマイホームを手に入れる予定だけれど、贈与税が心配……。じつは、一定の条件を満たせば、贈与税が非課税となる制度があります。住宅取得は人生の一大イベントですが、この税制優遇を正しく理解することで、金銭的な負担を大幅に軽減することが可能です。本記事では、生前贈与を活用して住宅資金を受け取る際に適用される「非課税制度」について、わかりやすく解説します。

生前贈与で住宅を取得する際に活用できる「非課税制度」は?

生前贈与で住宅を取得する際に、贈与税が非課税となる制度について、以下の4つの制度を要件や注意点などもふまえて解説します。

住宅資金贈与の特例

住宅資金贈与の特例として、住宅を取得するために親などから資金の贈与を受ける場合、贈与税が非課税となる制度があります。

 

こちらについては次節で詳しく紹介します。

暦年贈与

暦年贈与は、親などからその年(暦年)に、110万円までの範囲内で資金の贈与を受けた場合、その金額の範囲内は贈与税が非課税となる制度です。

 

これは贈与税の基礎控除額が110万円となっているため、基礎控除額を利用した贈与となります。

 

暦年贈与の注意点

 

①贈与契約書を作成しておく

 

税務調査が入った際に、贈与を行った事実を証拠として残しておくために贈与契約書が必要です。

 

贈与契約書には「贈与者」「受贈者」「日付」「金額」などの記載項目があります。

 

②相続開始前3年以内の贈与については相続財産となる

 

相続開始前3年以内に行った贈与は相続財産とされてしまうので、贈与税ではなく相続税に持ち戻されてしまいます。

 

そのため、生前贈与を考えている場合には、早めに対策をする必要があります。

贈与税の配偶者控除

配偶者控除(以下「おしどり贈与」という)とは、下記の要件にてその年の贈与税が、贈与された財産の課税価格から2,000万円までは贈与税が非課税とされる制度になります。

 

おしどり贈与の要件

 

おしどり贈与の要件は下記のような内容になります。

 

・贈与時に婚姻期間が20年以上であること

 

・配偶者から贈与された財産が、自分で居住する不動産であるまたは、自分が居住するための不動産を購入するための資金であること

 

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた不動産または贈与された資金で購入した居住用不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること

 

 

 

おしどり贈与の注意点

 

注意点として、同一の配偶者から受けた財産が、すでにおしどり贈与を受けている場合には適用されない点が挙げられます。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、生前の贈与について、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計して計算した相続税から、すでに支払った贈与税額を控除することで贈与税・相続税を通じた納税を実施する制度です。

 

相続時精算課税制度の要件

 

相続時精算課税制度の適用要件は、贈与者が60歳以上の親や祖父母であり、受贈者は18歳以上の推定相続人または孫になります。

 

受贈者は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に相続時精算課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署長へ提出する必要があります。

 

相続時精算課税制度の注意点

 

相続時精算課税制度選択届出書を提出すると、相続時精算課税制度を取りやめることができないため注意が必要です。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

次ページ住宅購入資金を援助してもらった場合に活用できる「非課税制度」は?

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧