開業を考え始めた初期の構想段階において重要となるのがコンセプトを決めることです。まずクリニックを開業するにあたってコンセプトの策定方法ついて考えていきます。開業前に決めておきたいクリニック運営のポイントについて解説します。
クリニックのコンセプトを考える
クリニックの開業を志したとき、まず基本の枠組みとなるコンセプトを策定することが重要になります。
しかし私自身を振り返ると、これらを明確に定めず「まずはやってみよう」という精神で始めました。途中からどんどんコンセプトは変わり、現在に至る――という経緯があります。
「成り行き任せ」「無計画」といってしまえばそれまでですが、患者さんとの関わりのなかで芽生える問題意識や周囲のスタッフとの関係性、はたまた医師の採用状況など……変化していく状況に合わせて臨機応変に変えることができたため、これはこれでよかったのかなと思います。
一方で、クリニックの方針が最初から定まっていたなら、回り道をせず一直線に現在の体制を目指すことができたのではないかという思いがあるのも事実です。
さまざまなステージを経て、いくつかの拠点で展開されている現在のあい友会グループとなりました。それぞれのフェーズで何を考え、何を感じていたのかをお伝えすることによって、皆さんがどのようなコンセプトのクリニックを作るかの参考になれば幸いです。
医療法人 あい友会
理事長
1957年生まれ。82年筑波大学医学専門学群卒業、91年筑波大学臨床医学系(外科)講師。
93年 ハーバード大学医学部マーサチューセッツ総合病院研究員を経て、2002年庄内余目病院院長就任。06年 庄内余目病院創傷ケアセンター長兼務。14年 あい太田クリニック、20年 あい庄内クリニック、21年 あい駒形クリニック、23年 あい逗子クリニック、あい熊谷クリニック、24年 あい長野クリニック、あいつくばクリニック開設。
現在 医療法人 あい友会理事長。
国内の7割以上が常勤医1名の過酷な訪問診療の現状に対し、多人数の医師体制にすることにより多くの患者へ高質な在宅医療特有の専門医療を提供出来る新しいモデルを構築。
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