タイの若い投資家が「ビットコインや金」に注目する理由
タイのデジタル資産市場における時価総額は、主にビットコインが占めており、10月には625億バーツ(約2,859億7,000万円)に達した。この数字は9月から9.8%増加したもので、1日あたりの取引額は15.1億バーツ(約69億円)と、前月比18.19%の増加を記録した。また、アクティブアカウント数も12万9,000件と、9月比で23.93%の伸びを見せている。これらはタイ証券取引委員会(SEC)のデータによるもので、デジタル資産投資の総口座数254万件の一部を占めている。
多くのタイの若い投資家がビットコインや金といった代替資産に目を向ける理由の一つは、地元の株式市場がもはや魅力的でなくなったことにある。「地元市場からの投資リターンでは、もはやインフレを打ち負かすことができません。その結果、投資家たちは暗号資産へと目を向けるようになっています」とナダ氏は話す。
さらに、この10年間でのわずかな投資収益に加え、タイの株式市場は一連の金融スキャンダルによって評判を大きく損ねている。一部の上場企業が財務諸表の改ざんや詐欺行為を行ったとされるほか、社債発行者が債務返済を履行しないケースも報告されている。
「分散投資が最良の選択ですが、暗号資産に過剰な投資をするべきではありません」とナダ氏は警告している。タイの個人投資家の間では、依然として金が人気のある投資対象だ。
また、ビットコイン投資を装った金融詐欺への警戒も必要だ。犯罪者たちは、暗号資産、特にビットコインやその他の仮想通貨の市場熱を利用し、高利回りを求める投資家をピラミッドスキームに陥れる可能性がある。
「取引には慎重を期し、ライセンスを持つ証券会社や、タイ証券取引委員会(SEC)に承認された暗号資産取引所を通じて投資を行うことを強くお勧めします」と彼女は付け加えた。
米国のETF承認がタイ市場に与える影響
デジタル資産ファンドマネージャーであるMerkle Capital株式会社の投資顧問ナパス・マサティエンウォン氏によると、米国がスポットビットコインETFおよびイーサリアムETFへの投資を承認した後、タイの投資家たちのビットコイン取引への関心が高まっているという。
これらのETFは巨額の資金を集め、個人投資家だけでなく機関投資家もデジタル資産クラスへの資金投入を加速させている。
「タイ国内でも、デジタル資産の取引量は年初の数ヵ月に比べて大幅に増加しています」とナパス氏は述べた。
現在、タイではSECのライセンスを取得したデジタル資産ファンドマネージャーを通じて、ファンド・オブ・ファンズを利用した投資が可能だ。
さらに、ナパス氏は、タイ当局が近い将来、米国に倣ってスポットビットコインETFのオプション取引の上場を認める可能性があると指摘する。このような動きは、すでに香港やヨーロッパで実現しており、タイ市場にも新たな活力を与えるだろう。
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