Photo by AFP

タイの公共放送局『Thai Public Broadcasting Service』(Thai PBS)が運営する英語ニュース・サイト『Thai PBS World』から翻訳・編集してお伝えする。

トランプ氏の“暗号資産政策”と業界の期待

トランプ次期大統領は、暗号資産に好意的な姿勢を持つ人物と見られている。暗号資産業界は、今回の米国大統領選挙において、推定で2億4,500万ドル(約383億3,000万円)以上を寄付したとされている。トランプ氏は選挙キャンペーン中、ビットコインを米国の準備通貨の一部とする可能性に言及していた。

 

また、トランプ氏は、暗号資産業界で不評を買っているゲイリー・ゲンスラー氏に代わり、SECの議長としてポール・アトキンス氏を指名する計画を発表した。米国の暗号資産業界は、新たな規制がデジタル通貨に有利に働くことを期待している。

 

「もし米国が暗号資産を国際準備資産に加えることになれば、他の中央銀行もそれに追随し、暗号資産の需要がさらに高まるでしょう」とナダ氏は述べている。

 

彼女は、近い将来、多くの国がビットコインを交換手段として合法化するだろうと予測している。

戦争と世界的な紛争がビットコインを後押し

ロシアとウクライナ間の戦争は、ロシアへの貿易および金融制裁を招いた。また、北朝鮮やイランも長年にわたり西側諸国から制裁を受けている。報告によれば、これらの国々の一部政府機関は制裁を回避する手段としてビットコイン取引を利用しているとされている。

 

また、自国から多額の資金を国外に移したいと考える個人もビットコインを利用している。さらに、犯罪組織や麻薬密売人も、ビットコインなどの暗号資産を活用している。暗号資産はブロックチェーン台帳上でポイントツーポイントで送金できるため、従来の決済ネットワークを経由せずに資金を移動することが可能だ。

 

ナダ氏は、「世界各地で紛争が激化する中、デジタル通貨は確実にその需要を高めています」と指摘している。

ビットコインに対するタイ中央銀行の姿勢

タイの暗号資産(仮想通貨)交換所最大手、ビットカブ・キャピタルグループホールディングスの創業者兼グループCEOであるジラユット・スルプシリソパ氏は、ビットコインの人気が高まっていることを利点として挙げ、タイ中央銀行(BOT)がビットコインを準備通貨として受け入れるべきだと提案した。

 

「そのような決定を下す前に、タイ中央銀行はまずビットコインの長所と短所を研究する必要があります」とナダ氏は述べている。

 

タイ中央銀行は現在、デジタル通貨に対して慎重で否定的な姿勢を取っていると見られている。暗号資産を交換手段として使用することを禁止しており、その理由として、暗号資産の広範な利用が金融システムの安定性を損なうリスクがあることを挙げている。一方で、中央銀行独自のデジタル通貨(CBDC)の導入に向けた準備を進めている。

 

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本記事は、THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)が提携するタイのメディア『Thai PBS World』が2024年12月14日に掲載した記事「Surging bitcoin a temptation for Thai investors, but BOT remains wary」を翻訳・編集したものです。

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