未分割での相続税の申告は修正申告をする
母親が亡くなったときに法定割合で提出している相続税の申告は、審判が下りてから4か月以内に修正申告をする必要があります。遺産分割協議書に代わるものが家庭裁判所の調停調書になります。
調停でもほぼ法定割合になったので取得割合はそれほど変わりませんが、長女が自宅を取得することで小規模宅地等の特例が適用できるようになり、相続税は0円となりました。
未分割では小規模宅地等の特例は使えないため、全員が70万円ほど納付をしなければなりませんが、今回は修正申告を行うことで全員に還付されました。
相続を円満に終えるための教訓
子どもが4人いるのに、不動産は2つ。自宅に同居している子どもがいる、2つ目の不動産も自宅の敷地内にある。こうした状況では不動産を分けるのは難しく、分けたくないと思うのは当然かもしれません。
この場合は父親・母親の遺言書は絶対に用意しておくべきでした。
長女が同居しマンションの管理も行っていても、現在は財産を等分に分ける時代。自宅は長女に、マンションは売却して3人に等分にと事前に決めておけば、調停に費用や時間をかけることはなかったでしょう。
※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。
曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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