11月12日~11月18日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・米大統領選挙でのトランプ氏の勝利を受けて米金利が急騰、米ドル/円も155円に迫る一段高となった。ただ週後半は、米金利は上げ幅を縮小し、米ドル/円も反落。
・トランプ氏がインフレを再燃させかねない選挙公約の実行を急がないとの見方も浮上。これにより「米金利上昇=米ドル高」も一段落の可能性が注目されてきた。
・過去2年のように、年末にかけて米ドル買いポジションの損益確定売り拡大にも注目。今週の米ドル/円は150~155円のレンジで予想する。
先週の振り返り…155円近くまで米ドル一段高
先週は、注目された米大統領選挙で共和党のトランプ氏の勝利が決まると、米金利が急騰。米ドル/円もそれに伴い、一気に155円に迫る一段高となりました。ただ週後半は一時152円割れ近くまでの反落も見られました(図表1参照)。
このような米ドル/円の動きは、基本的には日米金利差に沿ったものといえます(図表2参照)。
つまり、トランプ氏の勝利決定後に米ドル一段高となったのは、上述のように米金利が急騰したことに連れたものであり、その米金利が週後半に上げ幅を縮小すると、米ドルも反落となったわけです。
トランプ氏の勝利決定後に米金利が急騰したのは、大型減税や関税の引き上げといったトランプ氏の主な選挙公約が、金利上昇をもたらす可能性の高いものということが考えられました。ただこの米金利の急騰は、先週の段階ではすぐに一巡となりました。
背景には、インフレを再燃させる懸念のある選挙公約を、トランプ氏も急いで進めると考えるのは現実的ではないという見方もあったのかもしれません。
そうであれば、米金利も当面の天井を打った可能性も注目されそうです。米10年債利回りは、一時3.6%程度まで低下した中で52週MA(移動平均線)を大きく割り込みました(図表3参照)。
これは、複数年続く金利低下、つまり金利低下トレンドへ転換した可能性を示すもので、そうであれば、それと逆行する金利上昇は一時的、限定的にとどまる確率が高いということになります。この一時的な金利上昇が先週で終了した可能性は注目されるでしょう。
このような米金利の考え方は、米ドル/円にも同じように当てはまる可能性があります。米ドル/円も、一時52週MAを大きく割り込み、下落トレンドへ転換した可能性が高まりました。すなわち、それと逆行する上昇は一時的、限定的にとどまると考えられます(図表4参照)。
一時的、限定的な米ドル/円の上昇は、普通なら足下で150円程度の52週MAを大きく、長く越えない程度にとどまるもの。これまで見てきたようにトランプ勝利を受けた米金利上昇が終了したのであれば、米ドル/円の上昇も先週までで終わった可能性が注目されることになりそうです。
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