お義母さん、出て行ってください…55歳地方公務員の兄がまさかの急死→死亡保険金5,000万円が85歳母の元へ。逆恨みした兄嫁の「まさかの仕打ち」に家族総出で戦慄したワケ【相続の専門家は見た!】

お義母さん、出て行ってください…55歳地方公務員の兄がまさかの急死→死亡保険金5,000万円が85歳母の元へ。逆恨みした兄嫁の「まさかの仕打ち」に家族総出で戦慄したワケ【相続の専門家は見た!】
(※写真はイメージです/PIXTA)

実家で母と兄夫婦と暮らしていた貴美子さん(50歳)。まさかの兄の急死で相続トラブルが勃発しました。ある家族に起こったまさかの相続トラブルについて、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が解説します。

生命保険が問題に

兄嫁が相続の手続きを進めるうちに生命保険が問題になったといいます。兄は独身のとき、母親を受取人として生命保険に入っており、死亡保険金は5,000万円のものでした。その生命保険は受取人の変更をしないままだったということで、母親が受け取ったのです。結婚したときに受取人を兄嫁にしておけばよかったのですが、これが兄嫁の怒りを買う結果となりました。

 

兄の財産は父親から相続した自宅の評価が1,500万円、退職金や預金で2,000万円程度のところ、母親の受け取った生命保険の方が額が大きかったのです。

 

相続人が生命保険を受け取る場合

死亡保険金を受け取る際、相続税の非課税枠を適用できるかどうかは、受取人が誰であるかによって異なります。

 

受取人が相続人である場合、死亡保険金は、「みなし相続財産」として扱われ、相続税の対象になります。しかし、相続人が受取人の場合、相続税には一定の非課税枠が設けられています。

 

この非課税枠は以下の計算式で求められます:
非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

この非課税枠は、相続税計算の際に非常に有利に働くため、相続人が受け取る場合には500万円×相続人の数の範囲で税金を軽減できるのです。

 

相続人以外が受取人の場合

貴美子さんの兄のように、死亡保険金の受取人が母親となると、相続人ではないため、相続時に死亡保険金であっても、非課税枠は適用されません。そのため、死亡保険金全額が課税対象となり、相続税の負担が大きくなります。

 

たとえば、相続人が妻や子供であれば非課税枠が使えますが、母親が受取人となると、母親は「相続人」に該当しないため、非課税枠を使うことができません。その結果、死亡保険金全額に対して相続税がかかる可能性が出てきます。

 

法定相続人が妻と子供の2人であった場合、本来なら以下の非課税枠が適用されます:
500万円 × 2人 = 1,000万円

 

もし相続人が受取人なら、この1,000万円までの保険金は非課税です。しかし、相続人でない母親が受取人だと、この1,000万円の非課税枠が使えないため、受け取った保険金全額が課税対象となります。

 

相続税は2割増しになる

受取人が相続人であるときは相続により取得したものとみなされますが、相続人以外のものが受取人であるときは遺贈により取得したものとみなされます。

 

相続人であれば、生命保険金からは、法定相続人1名につき500万円の非課税枠が使えますが、相続人でないものについてはこの規定が適用されません。また、この相続人以外のものの相続税額は2割加算されることになります。

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