新NISA=ひたすら保有ではなく、柔軟に売却することも考える
たとえば、2024年に入ってから話題になった三井E&S(7003)の株価チャートを見てください。[図表1]
一時は売買代金でレーザーテック(6920)を超えて、東証全銘柄で売買代金1位になったなどと話題を呼んだ銘柄です。
株価は2024年の前半で700円から700円台後半で推移していたのが、2月中旬から3月8日にかけて、2,898円まで急騰しました。今年に入って、三井E&Sに投資した人からすれば、かなり大きく儲けることのできた銘柄と言っても良いでしょう。
でも、もっと長期の株価推移を見るとどうでしょうか。実は2007年8月9日の株価は、7,370円を付けているのです。それが株価のピークで、一気に値下がりし、2022年3月9日には312円まで下落しました。実に20分の1以下にまで値下がりしたことになります。[図表2]
このような長期的な下げに付き合ってしまったら、いくら新NISAの成長投資枠が非課税だったとしても、全く意味がありません。2024年になってから株価が急騰したといっても、ピークの株価に対してまだ半分も戻していないのです。
これはいささか極端な例ではありますが、いくら他の銘柄の株価が値上がりしたとしても、これだけ大きく下げた銘柄を持っていたら、ポートフォリオ全体のリターンは、かなり停滞してしまいます。
そうならないようにするためにも、成長投資枠で個別株に投資する場合は、塩漬けになっても保有し続けて、とにかく1,200万円の枠を積み上げることを目的化することなく、柔軟に売却することも考えておく必要があるのです。
専業投資家インフルエンサー
DAIBOUCHOU
※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円: 10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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