会社四季報で全銘柄を隅々までチェックしていませんか?資産10億円達成の個人投資家が教える「投資対象から外すべき銘柄」の見極め方

会社四季報で全銘柄を隅々までチェックしていませんか?資産10億円達成の個人投資家が教える「投資対象から外すべき銘柄」の見極め方
(※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAの成長投資枠で選べる銘柄は非常に数が多く、どれを選べばいいのか多くの投資家が迷います。投資に使える時間を考えると、できるだけその手間を省きたいもの。そこで本記事では、DAIBOUCHOU氏による著書『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円:10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)より一部抜粋・編集して、DAIBOUCHOU氏が投資対象から外している銘柄について解説します。

いちいち全銘柄をチェックしなくても投資対象は絞れる

 

『会社四季報』が発売されると、掲載されている全銘柄をチェックする投資家は少なくありません。

 

確かに、宝探し的な面白さがあるのは事実です。私もかつては、『会社四季報』が発売されてから数日間で、全銘柄に目を通していた時期もありました。でも、今はある程度、取捨選択するようにしています。言うなれば、自分自身のスクリーニング基準ができてきたといっても良いのかも知れません。

 

私の場合、これから説明するような銘柄は最初から見ないようにしています。投資対象から外しているからです。

 

【対象外1】 PERが高い銘柄

もちろん利益成長が著しく、利益倍増が十分に狙えるような会社であれば、多少、PERが高くても投資してみようと思いますが、かつてのITやAIのように、業績が十分に追い付いていないのに、一時的な人気で株価だけが異常なまでに暴騰しているような銘柄は、全くもって投資対象にはなりません。

 

【対象外2】バイオテクノロジーや医薬品の銘柄

次に、自分なりに調べても価値がわからない会社も候補から外します。

 

これは人によりけりなので、あくまでも「私の場合」という前提で読んでいただきたいのですが、どれだけ調べても価値の良し悪しが判断できない、極めて高度な技術を用いている会社には投資しません。なぜなら私自身が判断できないからです。ここにはバイオテクノロジーや医薬品などが含まれてきます。

 

医薬品は、内容が難しいだけでなく、私の投資スタイルと株価が全く合わないので、投資しません。

 

医薬品業界全体では、新薬メーカー中心に業界平均のPER評価が高いです。そのような医薬品業界で、業績が良く、PERが低いと、私のようなバリュー投資家は買いたくなるはずです。ところが、想定通りに株価が上がらず、悔しい思いをすることが多いのです。しかも、逆にPERが高いのに株価上昇する銘柄があるのです。

 

このように、業績の良し悪しとPERの割安さで単純に投資判断できませんので、私のポートフォリオには組み入れていないのです。

 

なぜ割安なのに買われないのでしょうか。

 

恐らく、健康保険制度を維持していくうえでの財源を維持するため、薬価改定によって薬の値段が下げられているからでしょう。

 

超高齢社会になったことで、病院に通い、薬を処方してもらう高齢者の人口がどんどん増えています。これからも30年間くらいは、高齢者人口が年々増えていくため、健康保険制度の財源はますます厳しさを増していきます。

 

そのため薬価が引き下げられ、製薬会社の経営が苦しくなると見ている投資家が多いのだと思います。

 

しかし、こうした国の制度に絡んだ事情をある程度、把握できなければ、なかなか製薬会社の株式には投資できませんし、私自身、この手の情報には疎いので、最初から投資しないようにしているのです。

 

【対象外3】半導体関連の銘柄

自分の投資スタイルに合わないという点では、半導体関連の銘柄もそうです。半導体に必要な技術や、半導体を製造するうえでどのような会社がかかわっているのか、などは理解しているのですが、決算内容に対する株価の反応が、どうにも読み切れないという問題があります。

 

基本的に私は、誰が見ても明らかに業績が回復している、利益が伸びているといった会社に投資して、株価の値上がり益を取っていくスタイルで運用しているのですが、半導体関連銘柄は、こうした自分の投資スタイルだとタイミングが合わないのです。

 

たとえば、2024年の年初から3月にかけて株価が大きく上昇した東京エレクトロン(8035)やディスコ(6146)は、当時の『会社四季報』を見てもわかりますが、決して業績が堅調に伸びているわけではありませんでした。むしろ業績自体は悪いくらいだったと思います。そうであるにもかかわらず、株価は過去最高値を付けるところまで急騰していきました。

 

もちろん、何となく理由はわかります。生成AIが登場したことによって、将来的に半導体需要が大幅に増えるという期待感から半導体関連銘柄が買われたと思うのですが、その需要が盛り上がって業績が上伸する前の段階で、半導体関連銘柄の株価が大きく上昇しました。

 

確かに、株価が上昇している最中に飛び乗れば、ある程度の利益は取れたかも知れません。しかし、自分のスタイルに合わない銘柄に投資すれば、どこで下りれば良いのかの判断が付かなくなる恐れがあります。だから半導体関連銘柄には、投資しなかったのです。

「理解できない」「投資スタンスに合わない」銘柄を外す

このように、自分では理解できない、あるいは自分の投資スタンスに合わないような銘柄を外していくと、案外、投資のユニバースに入れる銘柄の数は限定されます。

 

ちなみに私の場合、課税口座に300銘柄くらいに分散投資しているのですが、これから投資するかも知れないような銘柄も含めて、それでも常時チェックしている銘柄の数は、全上場銘柄のうち半分にも満たないと思います。

 

 

専業投資家インフルエンサー

DAIBOUCHOU

 

※本記事は『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円:10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。

 

 

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※本連載は、DAIBOUCHOU氏による著書『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円:10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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