■上も下も右も左も、全員いなくなった…手当たり次第壁を叩く騒音被害!経営するアパートにやってきた「迷惑入居者」の実録【不動産鑑定士兼税理士大家が解説】
19年間住み続けていた入居者が退去
不動産投資を始めてから、まだ経験が浅いころに購入した都内の中古一棟マンション。単身者向けとファミリー向け、両方の属性に向けた部屋が入っている物件でした。不動産会社からは利回り7%と聞かされていたため、購入当時はいい買い物ができたと思っていました。
購入から3年ほどのあいだは順調に賃貸経営ができていました。ところがある日、不動産会社から連絡がきたことを機に、雲行きが怪しくなります。
担当者によると、ファミリータイプの物件に住んでいた入居者が退去するとのこと。このタイミングで、筆者は今回退去する方の入居年数が19年であることを認識しました。
原状回復の確認用に撮影された、部屋の様子がわかる写真をみて、非常に驚きました。壁紙も柱もボロボロだったのです。近ごろはフローリングが増えたため減りましたが、当該物件の部屋には畳があり、やはりその畳もささくれだらけでひどい状態でした。
そしてその後、原状回復費用として請求された額が800万円です。筆者は絶句しました。これでは投資による回収できない、と頭を抱えるはめに……。
あとから知った費用相場
結局、そのときには原状回復費用として800万円を支払いました。しかし、経験を積んだいまから考えると、当該物件の広さや当時の様子から、費用相場はおよそ300万円~500万円程度だったでしょう。要するに、当時の不動産会社から過大請求をされてしまっていたのです。
別の物件でも10年間住み続けた入居者が退去するということがあったのですが、そのときには相場を調べてから対応したため、同じ過ちを防ぐことができました。
もちろんすべてがそうではありませんが、悪質な不動産会社も少なくないのが現実です。なにか想定外の事態が発生した際には、一度専門家などへ相談してみることをお勧めします。
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