(※写真はイメージです/PIXTA)

賃貸の平均居住期間は約4年といわれています。しかし、なかには経営する物件に10年、20年といった長期間住み続けてくれる人もいるでしょう。経営する物件をそこまで気に入ってくれるとは、貸主として嬉しいかもしれませんが、一方で退去の際には注意点があって……。今回は、現役不動産投資家である不動産鑑定士兼税理士の沖田豊明氏が自身の経験から、長期入居者のリスクについて解説します。

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19年間住み続けていた入居者が退去

不動産投資を始めてから、まだ経験が浅いころに購入した都内の中古一棟マンション。単身者向けとファミリー向け、両方の属性に向けた部屋が入っている物件でした。不動産会社からは利回り7%と聞かされていたため、購入当時はいい買い物ができたと思っていました。

 

購入から3年ほどのあいだは順調に賃貸経営ができていました。ところがある日、不動産会社から連絡がきたことを機に、雲行きが怪しくなります。

 

担当者によると、ファミリータイプの物件に住んでいた入居者が退去するとのこと。このタイミングで、筆者は今回退去する方の入居年数が19年であることを認識しました。

 

原状回復の確認用に撮影された、部屋の様子がわかる写真をみて、非常に驚きました。壁紙も柱もボロボロだったのです。近ごろはフローリングが増えたため減りましたが、当該物件の部屋には畳があり、やはりその畳もささくれだらけでひどい状態でした。

 

そしてその後、原状回復費用として請求された額が800万円です。筆者は絶句しました。これでは投資による回収できない、と頭を抱えるはめに……。

 

あとから知った費用相場

結局、そのときには原状回復費用として800万円を支払いました。しかし、経験を積んだいまから考えると、当該物件の広さや当時の様子から、費用相場はおよそ300万円~500万円程度だったでしょう。要するに、当時の不動産会社から過大請求をされてしまっていたのです。

 

別の物件でも10年間住み続けた入居者が退去するということがあったのですが、そのときには相場を調べてから対応したため、同じ過ちを防ぐことができました。

 

もちろんすべてがそうではありませんが、悪質な不動産会社も少なくないのが現実です。なにか想定外の事態が発生した際には、一度専門家などへ相談してみることをお勧めします。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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