(※写真はイメージです/PIXTA)

相続財産が不動産中心で現金が乏しかったり、遺産分割が進まず預金が凍結されたりといった理由で、相続税の支払いが期限内に困難になることは、誰にでも起こりうる問題です。こうした状況に直面した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。本稿では、相続税の支払いが困難になる原因と、その際に取れる具体的な対策、納付資金の準備方法や遺産分割協議が進まない場合の対策について解説します。

金融機関からの借入れ

相続財産の処分が難しい場合には、自分の財産で相続税を支払う方法しかありません。手元に現金がない場合には、相続財産を担保にして金融機関などから相続税の納税資金を借り入れることも一手です。延納の場合の利子税と融資利率とを比較し、どちらがいいか検討してみてください。

 

不動産を担保にしたローン

 

不動産を含む相続が発生した場合、「不動産担保ローン」を活用できるかもしれません。不動産担保ローンとは、文字通り、不動産を担保にしてお金を借りるローンです。担保物件となる土地の権利書などを準備して、金融機関に問い合わせてみましょう。

 

利用する金融機関は、普段から付き合いのある銀行がおすすめです。保証人もあらかじめ決めておき、相談する日に同席すれば、よりスムーズな申請につながります。

相続放棄:相続そのものを放棄して相続税の支払いを避ける

相続は必ずしなければならないわけではなく、「相続放棄」をして相続人の資格そのものを放棄することができます。相続をすると、原則としてプラスの財産もマイナスの財産も引き継がなければなりません。マイナスの財産が多ければ、相続放棄を選択するのも有用です。

 

相続放棄のメリットとデメリット

 

相続放棄のメリットは、マイナスの財産を引き継がなくて済むということです。ただし、デメリットとして、プラスの財産も引き継げなくなるため、思い入れのある自宅なども手放さなければなりません。なお、相続放棄は被相続人が亡くなってから3ヵ月以内にする必要があるので、注意しましょう。

相続税が支払えない場合の影響

相続税の申告・納税は相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内にしなければなりません。支払わない場合には、以下のような影響が発生するでしょう。

無申告加算税や延滞税が発生する可能性

相続税を申告しなかった場合、無申告加算税が発生します。ただ、災害などの影響で申告できなかったなど、やむを得ない事情に限り、無申告加算税がかからないケースもあります。さらに、延滞税も発生します。延滞税は相続税の本税とは別に納付する必要があります。延滞割合がかなり高く設定されているので、速やかな納付が必要です。

財産の差押え

相続税の延滞が続くと、国税庁に財産を差し押さえられる可能性があります。差押え対象の財産は不動産や預貯金、給与などで、徴収職員が決定します。給与が差し押さえられた場合には、勤め先に差押え通知書が送付されるため、職場に税金を滞納していることが発覚してしまいます。

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用できない

相続税を期限内に申告・納税できなかった場合、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」が適用できなくなる可能性があります。

 

配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者に限り1億6,000万円まで、または法定相続分の範囲内までは相続しても相続税がかからない特例です。小規模宅地の特例とは、被相続人の自宅を同居親族などが相続する場合、敷地面積330m2までの相続税評価額の80%を減額できる特例です。

 

どちらも節税効果の大きな特例ですが、遺産分割協議で相続人が確定していること、相続税の申告・納付が要件です。

 

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