えっ、私のモノじゃなかったの?リタイアしたらマンションへの住み替えを夢想していた60代女性、夫の死後に判明した〈新真実〉にびっくり仰天したワケ【相続の専門家が解説】

えっ、私のモノじゃなかったの?リタイアしたらマンションへの住み替えを夢想していた60代女性、夫の死後に判明した〈新真実〉にびっくり仰天したワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

昨年夫を亡くした60代のマスミさん。夫が遺してくれた自宅に住み続けていますが、リタイアしたらコンパクトなマンションへの住み替えを検討しています。しかし、自宅の登記簿を見て愕然としたマスミさん。一体何があったのでしょうか? 相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)の元に寄せられた相談を見ていきます。

遺言書で遺贈

そこで、義両親に遺言書を作成してもらい、それぞれがマスミさんに遺贈してもらうようにと考えました。義両親は自分たちの名義はあるもののすでに家は夫に買ってあげたものという思いですので、遺言書でマスミさんに遺贈することに抵抗はありません。

 

義両親は昭和ひとケタ生まれでもう90代。それでもいつ相続人になるかわからず、また、どちらが先かもわかりません。遺言書では次の計画的なことができないと不安もありました。そうこうするうちに今年の固定資産税の納付書が届きました。

 

マスミさんのもとには建物だけで、土地は15分の7を所有する義父のもとに送られていました。土地と建物が別々に請求されるとは予想外。義両親も名義はあるが、自分たちは住んでもなく、息子に買ってあげたという感覚ですので、固定資産税を負担する認識はありません。

贈与でなく、売買も選択肢に

やはり早いうちにマスミさん名義にしようということになり、どうすればいいかということが相談の内容です。義両親はすでに土地も建物もあげたものという感覚ですので、「贈与」が優先順位ですが、それでは贈与税がかかります。

 

贈与の場合の価格は路線価が基準になりますが、それよりも少し低い程度の固定資産税評価額でも税務署から否認されることはないでしょう。それでも、土地、建物の15分の10は600万円程度になるため、贈与税の基礎控除110万円は超えてしまいます。贈与税の計算をすると75万円ほどになります。さらに登記費用、不動産取得税もかかるため、100万円以上の費用が必要に。

 

そうした負担をなるべく減らすとなると、「売買」が選択肢になります。マスミさんが義両親から土地、建物15分の10を固定資産税評価額で買い取るようにしますが、義両親は購入金額よりも安く売却するため、譲渡税がかからず、申告の必要もありません。

 

売買代金は支払うことになりますが、6年に分けて非課税枠の現金を贈与してもらうとして、売買代金と相殺することで現金の移動はなしとします。

司法書士から放任確認

他県に住む義両親ですので、契約書などは郵送でやり取りし、司法書士の売主側本人確認としては、『本人限定受取郵便での委任状等署名捺印書類の郵送+電話での本人確認・意思確認』が必要になります。

 

業務提携先の司法書士法人に依頼をして、必要書類や手続きをしてもらうように依頼することになりました。売買契約書は夢相続が作成、マスミさんの署名、押印が終わり次第、義両親へ送って署名、押印してもらう段取りとなりました。

 

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